2022年04月29日
川俣晶の縁側ヴィンテージ・パソコンtotal 1998 count

数百枚の5インチフロッピーディスクをD88イメージにまとめて読み込んだ記録

Written By: 川俣 晶連絡先

前提 §

 主に1980年代に使用した5インチフロッピーディスクが大量にあった。数は少なく見ても300枚以上。おそらく500枚近くあったはず。

 そのままでは劣化して読めなくなることは明白なので、サーバに取り込むことはずっと懸案であった。

 しかし、忙しさにかまけて実行はしていなかった。

 読み取った枚数は僅かだった。

発端 §

 この春に引っ越しを行ったが新しい仕事場は狭いので、ものを整理する必要が生じた。フロッピーディスクは割と大きかったので、これをサーバに取り込むことにした。

準備 §

 5インチドライブは保管してあったので、ヤフオクでPentium 4の古いAT互換機を落札してこれに取り付けた。(その前にK6 CPUのマシにもあったがこれはあっさり壊れた)

 OSとしては、Windows 2000とWindows XPをインストールしたが、Windows XPを常用した。これはネットワーク的に隔離された場所に存在する。(インターネットから直接アタックすることはできない)

 SMB V1を許可することで最新世代のWindowsマシンとファイル共有可能とし、リモートデスクトップで主に操作した。

 フロッピーディスクの読み取りソフトにはSAMDISKを使用した。

問題 §

 SAMDISKは時々誤った読み取りを行うので、SAMDISKで2回読み取って比較するツールを新規に作った。1D/2Dのディスクを読み取るオプションと、片面ディスクを読み取るオプションを用意した。

 また、SAMDISKは存在しないセクタを読み取ってしまう場合があるので、セクタ情報も明示的に含むD88形式で読み込むことにした。(ベタ形式は危険と判断した)

手順 §

 以下は操作の手順が異なり、操作をミスしやすいので、まとめて読み取れないと決めた。

  • 2HD/2DD
  • 2D
  • 1D

 1Dは2枚しかなかったのですぐ終わった。

 あとは、2HD/2DDを集中的に読み込んだ後で、2Dを読み込んだ。

エミュレータ §

 読み取った結果の妥当性を検証するために、エミュレータを構築した。

 現在、自分のデスクトップには、88/98/X1Turboのエミュレータを構築済みである。いずれも、D88形式をインポートしてブートできる。

検証できないディスク §

 オーシャノグラフィーなどでバックアップしたデータは、復元環境を構築しない限り、妥当性を検証できない。上手く読み取れていることを祈るのみである。

 また、僅かながら自作バックアップソフトでバックアップしたディスクもあった。ディスクそのものはMS-DOS形式だが、個々のファイルは独自形式である。これも、自作バックアップソフトを何とかしない限り復元とチェックはできない。

NGなディスク §

 NGなディスクは主に以下の2種類であった。

  • プロテクトが掛かっている
  • 不良ディスク

 プロテクトが掛かっているメディアは、SAMDISKが落ちる、あるいは読み取り結果が絶対に一致しないものが多かった。

 不良ディスクは、ノーブランドのメディアに多かった。しかし、ノーブランドなら必ず不良というわけではなく、ものによる。繰り返して読み込むと上手くいくケースもあった。メーカー品はさすがに1980年頃の製品でも安定して読み込めるものが多かった。

ハード障害 §

 途中で読み取りが上手くできなくなった。

 読み取っても必ずファイルサイズが小さいのである。

 予備のドライブは2個あったので交換したが、どちらも正常に動作しなかった。Panaのドライブは認識すらしなかった。TEACHのドライブはシークしているようには見えなかった。

 仕方が無いので、もとのドライブを付けて蓋を閉めて復元したらなぜか読み込めたので、「壊れる前に読めるだけ読め」と合い言葉に全て読み込んだ。

意外と多い未使用ディスク §

 2HDのメディアは意外と未使用ディスクが多かった。

 大量に使うことが多く、端数の枚数のメディアは使わないまま残ることが多かったのだろう。

要注意のラベルなし §

 ラベル無しのメディアにも何か入っていることがあった。ここは要チェックだった。

 またラベルと中味が食い違うこともあり、要チェックだった。

枚数増加の理由 §

 おそらく、80年代中期と後期では理由が異なる。

 80年代中期では、作業が一段落するとその時点で保存メディアを作成したので、枚数が増加しやすい。

 80年代後期になると、ハードディスクのバックアップの枚数が増え、パソコン通信経由で入手する情報も増えたことで、枚数が増えていったと思われる。

枚数の多い時期 §

 枚数が多いのは88年、89年、90年だった。ハードディスクのバックアップの枚数が増えたことと、パソコン通信のログの記録が増えたことが理由のようだ。

 92年になるとメディアとしてMOが使われたようで、もうフロッピーディスクは出てこない。

 中間の91年の日付は、フロッピーディスクにもMOにも出てこないのは良く分からない。

整理分類 §

 今回は読み込みを優先したため、整理分類はきちんとなされていない。

 整理分類はこれからの課題である。

 またD88イメージから内容のファイルをまとめて取り出すツールも必要であろう。

感想 §

 サーバに読み込むことで、非常に多くの空間を節約できた。あとはちゃんとバックアップしてロストしないようにすることである。

 しかし、懐かしいあのファイル、あのソフトが次々と出てきたのは思い出深かった。

 その上、実機はもうほとんど手放したのに、エミュレータ上で次々と動いたのは驚きである。(動かないものもあるが、これはファイルが壊れているのか、エミュレータの問題なのか良く分からない)

残された課題 §

 3.5インチフロッピーディスクと、CD-ROM/DVD-R/RAM系のメディアがまだ残っている。CD/DVD系メディアも意外と数が多く邪魔なので何とかしたい。

 3.5インチフロッピーディスクは、SMC-777Cの1DDメディアと、3モードドライブがないと読めないNECの2HDが課題である。

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