「なぜ見たの?」
「TTFCの定額枠に落ちてきたから」
「それで中味はどうだった?」
「思ったより面白かった」
「どこが良かった?」
「構成が上手い。リバイスの映画として始まって、赤ちゃん奪還という軸ができて、バイスのことを忘れたくないという五十嵐一輝の願いを叶えるために、ギーツのデザイアグランプリ優勝という要素が使用される。まずリバイスの映画として筋が通っている上に、そこにギーツが絡む理由がある。何となく客演しているわけではない。全体で筋が通っているんだ」
「なるほど」
「特に良かったのは、最後にバイスが消えてしまうが消えないためにデザイアグランプリ優勝という要素を使わない。あくまで忘れないために使う。屈折が残っておバカなハッピーエンドにならない。そこがいい」
「屈折が何も残らなかったらリバイスじゃないってことだね」
「そして、ギーツもそれをさりげなく支援している。これがまた格好いい。浮世英寿らしい本物のスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズだ」
「他に何かある?」
「リバイスの映画はTTFCのスピンオフも含めて実はどれも良くできている。テレビシリーズは【面白いこともある】【盛り上がることもある】ぐらいだったが、明らかに映画の方が完成度が高い。バトルファミリアだって、ママさんまでバスのハンドルを握って五十嵐一家全員で戦うのは燃えるし、そもそも最初の映画だってシンプルで分かりやすいストーリーで盛り上がった」
「ギーツ映画としては?」
「ツムリが悪役にまわって出番が減ったのはあれだが、ナーゴとジャンヌをまず活躍させる以上仕方が無いだろう。そこは夏映画の4人のエースと黒狐でツムリに本物ヒロイン感が出たので良いとしよう」
「以上で終わりかな?」
「待った! 重要な話が残っている!」
「それはなんだい?」
「この映画、仮面ライダー王蛇・浅倉威が顔出しで出演しているんだよ。萩野崇だよ。シャンゼリオンだよ」
「そこか」
「まあ、王蛇はキングオージャーの映画に客演した方が良かったかも知れないがね」
「それはダジャレ」