朝日新聞の1975年8月のテレビ欄を繰り返し見ているうちに、何かおかしいという結論に至った。
普通の意味でのまともな番組編成ではないのだ。
まず以下の2点を踏まえよう。
- NHKには夏休み期間の特別な番組編成が存在する。9月に入ると急に通常の編成に切り替わる
- 高校野球は終了時刻がはっきりしないがNHKは放送しようと努める
つまり、高校野球の後の番組はしばしば放送が中止になって高校野球中継で置き換えられる。教育テレビに切り替わることもあるが、教育テレビが別のスポーツ大会の中継だった場合は、おそらく切り替わらない。
であるから、高校野球直後に放送されたスターロスト宇宙船アークは、有事には放送されないことを前提とした捨て駒であったと考えられる。
更に言えば、9月に入ったら通常編成に切り替わるので、最初から全話放送される可能性はない。
しかし、捨て駒なら通常は再放送の番組を当てれば済む話である。
あえて金を掛けてアフレコを行った海外ドラマの新作を放送する意味は無い。
ここからは推定に過ぎないが、スターロスト宇宙船アークはカナダからわざわざ放送権を買ってきてアフレコまで行ったものの、何らかの事情でお蔵入りした番組だったのではないだろうか。1973年のドラマを1975年に放送しているタイムラグが何かの事情の存在を推定させる。
そうすると、放送する権利を有するが放送していなかった番組なので、埋め草には丁度良かったことになる。
しかし、見ている側からすればあまりにも唐突にストーリー性の高いドラマの放送が始まって唐突に終わったことになり、面食らってしまう。
余談・スペース1999に影響を与えたという仮説 §
スターロスト宇宙船アークはスペース1999に影響を与えたという仮説を考えている。
スペース1999は謎の円盤UFOの第2シーズンとして企画されたドラマであるが、ムーンベースの存在を除けばあまりにも違いすぎる。
実は、スターロスト宇宙船アークのような宇宙漂流ものを謎の円盤UFOの設定で行うとすれば月ごとムーンベースが漂流するという話にするしかない。
他にも気になる点があるので研究を続けたいと考えている。