2001年宇宙の旅(1968年)とフォロワーの諸作品群(たとえばスターウォーズは1977年)では間が開きすぎているという問題への答えが判った。
実はその中間にThe Starlost(スターロスト宇宙船アーク、1973年)という作品があったのだ。
しかし、The Starlostはスタートレックのような成功作品ではなかった。
そのため、その名はあまり伝わっていない。
だが、作り手側には【有望な可能性を秘めた企画でありながら不発に終わったThe Starlostをヒットさせるにはどうすれば良いか】という問題意識を各方面に与えたものと思う。
その答案用紙がスペース1999、スターウォーズ(EP4)、ブラックホール(ディズニー)というアイデアを思い付いた。
つまり、こういうことである。
- The Starlostの宇宙漂流という側面を発展させたのがスペース1999
- The Starlostの叛逆という側面を発展させたのがスターウォーズ(EP4)
- The Starlostの宗教という側面を発展させたのがブラックホール(ディズニー)
俳優面でも連続性は見て取れる。
主人公のDevon役のKeir Dulleaは2001年のボーマン船長役本人である。
しかし口ひげを生やしていてあまり似た印象はない。
口ひげはむしろ、スペース1999のPaul Morrow (役者はPrentis Hancock)に似ている。
ではヒロインのRachelはどうかといえば、頭の左右の髪の毛の玉を除くとスターウォーズのレイア姫に似た感じがある。そもそも、レイチェルとレイアでは名前がそっくりである。(RとLは違うが)
また、Devon、Rachel、Garthの3人組のイメージはそのままルーク、レイア、ハン・ソロの3人組にも似ている。
他にも、The Starlostにはスペース1999のバーグマン教授似た人がゲストで出てくるなあと思ったら、なんと本人だった。Barry Morseはスターロスト宇宙船アークとスペース1999の双方に出演していた。
つまり、2001年のボーマン船長役の俳優と、スペース199のバーグマン教授役の俳優が出演しているThe Starlostこそ、ミッシングリンク作品そのものだと言って良かろう。
また、いずれの作品もコンピュータ端末 Mu Lambda 165や黒い半球体の機械の発展形と見られるものを持っている。スペース1999のコムロックもそうだし、スターウォーズやブラックホールではロボットという形で会話する機械が登場する。ロボットそのものは宇宙戦艦ヤマトのアナライザーの影響という説もあるが、R2D2の頭部はむしろボタンとスロットを持った黒い半球体の機械の影響と思った方がより似ているような気がする。
ちなみに、The Starlostでは宇宙船アークは恒星に向かって進んでいるが、ブラックホール(ディズニー)ではブラックホールに落ち込んでいく。そのように考えるなら、スタウォーズのデススターは、宇宙船アークが突っ込もうとしている災厄の象徴である恒星の変種である。なぜあれが超巨大戦艦ではなく巨大で丸いスターなのかと言えば、The Starlostの恒星の変種だからかもしれない。
ただし、スペース1999では、【月の針路は制御できない】という物語上の制約から、立ちはだかる天体はブラックホールが一度出てきたきりで、ほぼ出てこない。