「デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING関連で無料公開になっていたから見た。そもそも、もう一度ちゃんと見たかったので良かったよ」
「前回は?」
「ロードショー公開時に劇場で見ているんだぜ」
「それで見た感想はどうだった?」
「つまらん。眠い。前回とたぶん同じ。ただし、何がどうつまらんのか具体的に言語化はできたような気がする」
「何が悪いの?」
「この映画、デジモンアドベンチャーでも、デジモンアドベンチャー02でもない、それ単体で独立した価値観の作品として構築されているのに、中途半端にデジモンシリーズのキャラを使っているからどこからどう入って良いのか分からない」
「つまり何?」
「この映画の価値と、デジモンアドベンチャー02としての価値は別物で、映画単体としては凝っているが、デジモンアドベンチャー02らしさはない、という感じでは無いだろうか」
「なるほど」
「ただ映画としての欠点はある」
「どのへん?」
- 話の中身にしては長すぎる。前後編にする意味があったのか?
- キャラが多すぎる
- レギュラーキャラの解釈がけっこう違う。別人に見える
- 日本人の普通の子供をアメリカに連れて行くために無理矢理すぎる展開が多い
「ふむふむ」
「キャラが多すぎる問題は、次の映画の【デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲】で、もっと顕著になる。デジモンアドベンチャーと02の双方の選ばれし子供に出番を作るためにかなり窮屈な作りになっている。この問題はデジモンアドベンチャー02 THE BEGINNINGになってやっと解消されて、BEGINNINGだと02組だけで話が進行する」
「それで君の意見は?」
「これ、吉田玲子さんが書いた脚本、少なくとも初稿は全く違っていたのではないだろうかと、という気がしたよ」
「他には何か気付いたことはあるかい?」
「この映画のテーマは【戻れない過去】らしい」
「過去はやり直せないって、BEGINNINGと同じことを言ってるわけじゃないか」
「実はBEGINNINGとはこの映画のリベンジマッチかもしれない」
「そうか。ゲストキャラ、ゲストキャラのパートナーデジモン、ゲストキャラのママという要素がかぶっているわけだね」
「ゲストキャラのパートナーデジモンのデジタマがゲストキャラの手元に戻ってくることで終わるのも同じだ」
「なるほど」
「実はBEGINNINGにはグミモン(テリアモン)に対応するデジモンがいないのだが、これはもうキャラ多すぎ問題に対応して削られた要素かもしれない」
「BEGINNINGのパパもこの映画にいないよね」
「BEGINNINGのパパは寝たきりという以外にキャラクター性がないから良いのだろう」
「最後にまとめ」
「デジモンアドベンチャーは、劇場版デジモンアドベンチャー、デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!で想像以上の納得を与えてくれたが、02はデジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!!/後編・超絶進化!!黄金のデジメンタル、デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲と立て続けに不完全燃焼を見せられてBEGINNINGでやっとあるべき場所に戻ってきた感じだろうなあ。BEGINNINGは間違いなく02の映画だった」
「問題はどこにあると思う?」
「たぶん、デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!!/後編・超絶進化!!黄金のデジメンタルは02らしくないのに出来は良かったことから、映画の方向性は迷走してしまったのだろう」
「出来は良かったんだね?」
「デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!!/後編・超絶進化!!黄金のデジメンタルはアニメ映画としての出来は良かった。でも、あれは02の映画ではなかった」
オマケ §
「主題歌がぜんぜん違うので驚いたが、おいらが持っている【デジモンアドベンチャー02 シングルヒットパレード】というCDに入っている【スタンド・バイ・ミー~ひと夏の冒険~】は、【スタンド・バイ・ミー~ひと夏の冒険~(A DAY IN THE BOY’S LIFE VERSION~PROMISED LAND)】という別バージョンだったようだ」
「スタンド・バイ・ミーのCDなら持っていると思い込んでいた油断だね」
「ただ、映画の雰囲気にはこっちの方が似合っているから難しい問題だ」