「テレビで放送していたのを録画したのを見た」
「どうだった?」
「いろいろ構成に難があるとは思うが、まあそれはともかく、この作品の見方はかなり変わってきたよ」
「どういうことだい?」
「結局、この作品で最高の女は女らんまであるが、最も愛された女はあかねであるということだよ」
「つまり、あれだけ大勢が寝崑崙に押し掛けて、呪泉峡に行くのをみんな忘れていたというのは、みんなあかねのことで頭がいっぱいだったということだね」
「実は全面的に愛されているのはあかねなんだ」
「どうしてあかねは愛されているんだい?」
「包容力の大きさ故だろうと思う。この映画では実は一方的にあかねを嫁にすると宣言して、さかねをさらった麒麟を一時は受け入れているのだ」
「漬物以外を食べさせようとしたり、花嫁衣装を着ちゃったりするわけだね」
「でも最終的には乱馬を待つ。乱馬はやって来て、あかねを救う。そういう映画なんだよ」
「いかに女らんまがいい女でもそれは恋のお邪魔虫ってことだね」
「結局、この作品は恋のお邪魔虫だらけの状況下で、らんまとあかねが結ばれる話なんだよね」
「そう思って見ると良いわけだね」
「だからこの作品は最終的に、あかねの広い心が麒麟を受け入れてしまうのか、それともあくまで乱馬を待つのかがポイントになる」
「そこにドキドキできれば楽しい映画ってことだね」
「まあ楽しかったよ」
オマケ §
「実はこの映画、サントラCDは持っていたんだ」
「えー」
「だから音楽は全部知っていたという不思議な体験だったぞ」