「さる理由で裁縫をする必要性に迫られたのだ」
「それで?」
「取りあえず安いミシンを買おうかと思って調べたのだが、そこで安すぎるミシンは悪評や制限事項が多いと気付いた。それなら、普通のメーカー品の中古の方が良いのではないかと気付いた。そこでヤフオクをチェックしているうちに気付いた。近所のリサクルショップで買えば送料はかからない」
「それで?」
「西永福のリサイクルショップもぐランド永福店に行こうかと思ったが、どう見ても店内にミシンは見えない。しかし、行ってみたかったのだと思い直して行ってみた。あそこはB1F、1F、2Fとあって広いが結局見付からなかった」
「がっかりだね」
「ところが最後に店長らしい人に【ミシンは扱ってないですよね】と言ったら下の方から1つ出てきた」
「そんな、ドンブラザーズのマスターみたいな【あるよ】があり得るの?」
「実際にあったのだ」
「それで?」
「物はbrother ブラザー コンピューターミシン CesiLia セシリア ZZ3-B587の付属品なし(ACケーブルは内蔵であり)であった。マニュアルはダウンロード可能であることを確認して、日付が2020年だったので【凄く新しい】と思って買うことにした。付属品は何とかなるだろうと踏んだ」
「それで自転車に乗せて家に持ち帰ったわけだね」
「そうだ。送料0円」
「で動いたの?」
「糸がないので、試せていない。通電してランプは点いた」
「なるほど」
「だが番狂わせがあった。2020年はマニュアルを電子化した年で、製品は1997年のものらしい」
「古い!」
「だが、凄い奇跡が起きたぞ」
「なんだその奇跡って」
「ミシン下部のポケットを開けたらザクザクと付属品が入っていた。たぶん、ほとんどある」
「付属品無しって言われたんじゃないの?」
「たぶん、店はポケットの存在に気付いていなかったのだろう。ネットの中古相場と比較して割と安く買えたことになる」
「ショップは割高かと思ったらそうでもないんだね」
「よっしゃラッキー」
「次はどうするの?」
「糸を用意して動作テストだな」