今週は歴史資料館巡りをお休みしようと思っていました。前後の時期があまりに忙しく、身体も本当に疲れ果てていて、身体を休めるのが順当だと思っていたからです。そこで、オータムマガジンの歴史資料館巡りのコーナーには、特別編として23区の歴史資料館巡りのハウツーでも書こうかと思っていました。
しかし、腰が痛く、身体を動かさないのも問題があると思い直して、出かけることに。そう決めたのは、日曜日の2時半ぐらいで、もう時間がありません。それに、遠出はしないと最初から決めていました。そうすると、行ける範囲が限られます。
ざっとお気に入りに記録した行き先候補を検討したところ。
東京都水道歴史館が、割と手近で良さそうだと言うことになりました。この施設は、サイトを見ると淀橋浄水場の模型の展示があるようで、そこが気になっていたものです。
淀橋浄水場というのは、現在の新宿西口の高層ビル街にあたる場所にあった浄水場です。昔は淀橋区という区もありました。現在のヨドバシカメラに、淀橋という地名の痕跡も残ります。このあたりには角筈(つのはず)という地名もあったはずです。ともかく、身近であったはずの新宿西口にあった施設でありながら、全くそれを見た記憶が無く、とても気になるために、淀橋浄水場には興味があったのです。
その他、淀橋浄水場は、淀橋区の地図などに掲載されているのを見ることもありますが、昭和16年あたりの地図だと戦時体制ということで、公園に書き換えられていたりするわけですね。ますます謎が大きいように思えてしまいます。
そこに行き先を決めて、ともかく出かけました。
水道歴史館 §
地図を頼りにお茶の水の駅から歩いていくと、こんな派手な案内がお出迎え……。
水道局の施設の一部が、水道歴史館であるようで、少し歩いていくと入り口がありました。
内容は、まったく予想外のことながら、まっとうな歴史史料館的な作りでした。ぬるいPR施設という感じではありません。2階が江戸時代。1階が明治以降という分類になっています。
2階の方は、様々な史料が展示されている他、江戸時代の水道に使われた樋などがありました。その他、水道から水をくみ上げる井戸とその周辺が実物大で再現されていたのにはびっくり。井戸の周辺だけでなく、建物の中まで生活感を感じさせるほど作り込まれていました。
1階も、歴史的な展示が多く、なかなか見応えがありました。
しかし、4時少し前に到着して4時30分までの開館ということで、じっくりと見て回ることはできませんでした。自由に操作できる映像コーナーなどに、もっと見たい映像があったのですが、断念せざるを得ませんでした。ただ、淀橋浄水場の模型は、かつての姿と現在の姿がボタンで切り替わる小さな模型があるだけで、面白かったけれど、詳細が分からずに終わってしまいました。
しかし、全般的には満足度の高い施設だと思いました。これで入館無料というのは、あまりにお徳です。
水道橋、お茶の水近辺で時間を潰す必要が生じたら、ここに行ってみると良いと思います。
文京区本郷給水所公苑 §
文京区本郷給水所公苑というのは、水道歴史館の裏手にある公園です。しかし、ただの公園と侮ることはできません。というのは、事実上水道歴史館に含まれるべき展示物である神田上水石樋がここにあるからです。
本当はそんなことは知らずに、ただそこに公園があるので寄ってみようと思っただけです。しかし、水道歴史館で閉鎖されていて見ることができなかったものが、ここにあろうとは思っても見ませんでした。つまり、水道歴史館の閉鎖された出入り口が、この公園につながっていたのだと思います。
それはさておき。さすがに「本郷給水所配水池丈夫に東京都水道局の協力を得て」区が造成したとするだけあって、水の多い公園です。その点で、普通の公園とはちょっと違っていて、少しだけ親水公園的な雰囲気もあります。なかなか興味深いですね。
これを見終わってから、そのまま水道橋駅まで歩いてから電車に乗りました。お茶の水でも水道橋でも、どちらの駅からでも気軽に行ける感じですね。ただ、水道橋から行くと上り坂になるので、お茶の水から歩いた方が楽かもしれません。