2003年05月11日
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世田谷文学館と寺山修司の青春時代展

Written By: 川俣 晶連絡先

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 今日は、世田谷文学館に行ってきました。

 既に芦花公園からの帰り道で場所は分かっていたので、芦花公園駅を降りて、

てくてくと歩いていきました。

 すると、「ウテナ前」というバス停が。世界でも革命してくれるんだろうか、

などと気軽に思って通過しましたが、このとき、後でウテナに連なる名前を見よ

うとは予測もしていませんでした。

 世田谷文学館は綺麗な建物で、中の設備もなかなか綺麗で立派ですね。

 まず入り口脇の池の中に泳ぐ多数の大きな鯉に見とれてしまいました。悠然と

泳ぐ鯉を見ていると、なんとも時間を忘れる感じがします。

 さて、中では「寺山修司の青春時代展」というのをやっていましたが、寺山修

司? それ誰よ、という甘い考えを持って軽い気分でいました。もちろん、見な

いつもりはありませんでしたが、縁の無い人のことを知る機会、ぐらいに思って

いました。

 しかし、時間を見ると常設展示の「ムットーニのからくり劇場」の時間が近か

ったので、先に常設展示の方に行きました。「ムットーニのからくり劇場」とは、

箱の中にからくりで動く人形と舞台がある仕掛けで、音楽と語りが鳴りながら演

じてみせるというものでした。3つありましたが、中の1つが海野十三の宇宙旅行

の話を元にしたものだったのは面白かったですね。普通の世の中では、海野十三

など、ほとんど省みられることがない作家だと思いますが。ちゃんと1つの重要

なポジションを占めているのが、なかなか嬉しいですね。しかも、海野十三の著

書もずらっと展示してありました。

 その他、大藪春彦が使った道具なども展示してあったのが面白いですね。いろ

いろな書類などもあって、生活感を感じさせて面白いですね。

 さて、その後、寺山修司に関する短い映画を上映していたので、それを見まし

た。

 そして、特設展「寺山修司の青春時代展」へ。

 多芸な人であったようです。この人は、小説家であり、詩人であり、演劇をプ

ロデュースしたような人だったのですね。天井桟敷、という言葉はどこかで聞い

たことがあります。

 子供の頃、自由でありすぎるから、拘束される俳句の世界に行ったというよう

なことが書いてありましたが、その感じは分かります。何となく、そういう気分

には、過去の自分に通じるものを感じます。

 それから、正確な言葉は忘れましたが、「100年経ってから来なさい、100年経

てば分かります」のような言葉もありました。これも分かりますね。そういう表

現は自分も使うことがあります。

 もちろん、寺山修司がそういう言葉に込めて意図したことが分かったかどうか

は分かりません。

 それから驚いたことは、あしたのジョーの主題歌の作詞をしていたこと。寺山

修司の書いた詩を、ちゃんと耳にしていたわけですね。縁がないということはあ

りませんでした。

 それから気付いたことは、J・A・シーザーという名前です。寺山修司が手がけ

た演劇の音楽に出てくる名前ですが、我々の世代でいえば少女革命ウテナで独特

の音楽を聴かせてくれたあの人ですね。「ウテナ前」というバス停の前を通って

ここまで来たことが意識されます。これは偶然? それとも必然?

 生原稿や子供時代の学級新聞なども展示されていて、寺山修司の詩や文章も少

し読みましたが、内容的には分かるものでした。ある種、こう表現していく気分

のようなものが分かる感じがしました。分かるに至るまでの距離は長いような気

がしますが、分からずとも読む者の心を動かす力は感じられます。

 面白かったので、寺山修司の本を1冊ぐらい買って読もうかと思いましたが、

今日のところはやめておきました。縁があれば読むことがあるでしょう。とりあ

えず、いますぐ読む本は山ほど積まれていますので。

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これを書いている今、午前2時で、眠くて朦朧としています。しかし、あまりに意外で面白かったのでメモっておきます。 サブカルチャー文学論(入手編)という本を読んでいましたが、実に面白い記述に出くわしまし 続きを読む

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