中世あるいはそれ以前の関東以北の話題には興味があります。というわけで買った本ですが。予想外に面白かった、というのが感想です。
このあたりの話題で当てになる資料はあまりなく、明らかに征服した側の都合で書かれた公式歴史書である「日本書紀」などから読んでいくしかないわけですが。それを真面目に分析的に読んでいくと、いろいろと大和朝廷側の失策や、現地担当者の現実的な政策なども見えてくるわけですね。
蝦夷側としても、必ずしも大和朝廷側を相手に戦い続けた訳ではなく、上手く折り合った状況もあったようですね。また、戦闘でも大和朝廷側の軍隊の失策などがあるわけですね。
その結果として、東北が大和朝廷の支配下に入って行く、けして単純ではないプロセスがあるわけですね。それが、征服した側の歴史書からも読みとれるのが面白いですね。けして、綺麗事しか書いていない訳ではありません。もちろん、日本書紀や、続日本紀が本当に信じられるかどうかは分かりませんが。その範囲内ですら、そういうものが読みとれるのが面白いですね。
というわけで、とても面白かった本です。カバンに放り込んで、電車で移動するときに読んでいたので、読了まで時間が掛かってしまいましたが。