だらだら~~、とパソコン雑誌を見ていると、「うっ」とうならせる記事を見てしまいました。
IDGのNETWORD WORLD誌の2004年3月号。174ページ。
「Windowsの市場独占と増殖するウィルスの相関関係の考察」という記事です。
記事の趣旨 §
この記事の趣旨を、思いっきりいい加減に要約にすると。(いい加減だから信じては駄目。気になる人は本屋に走ろう!)
まず最初に、
ウィルスのようなソフトがあっという間に広がってしまうのは、同じ脆弱性を持ったOSばかりだからだからだ。つまり、Windows独占のせいだ。これを解決するには、様々な種類のOSが使われる多様性ある環境にすべきだ。
という意見が紹介されます。
しかし、シミュレーションを行った結果、これは正しくないという結果になったと言います。つまり、
OSの種類が多様化しても、感染するシステムの総数は少なくなるものの、感染マシンの増加速度が衰えることはない
と言います。そして、感染する総台数が小さいことは、問題の改善にはなっていないと言います。たとえば、
SQL/Slammerに感染したシステムはインターネット上の全マシンの0.1%にも満たないにも関わらず、インターネットを不安定化させるに十分な威力があった
と言います。
もう1つ最後に、このような話はマクロ規模の場合であると付記されています。小規模な車内ネットワークなどに限定すれば、OSの多様化のメリットはあると言います。しかし、インターネットのようなマクロなネットワークでは、OSの多様化は必ずしも改善にならないということのようです。
感想 §
まず、OSを多様にせよ、という主張は、Windowsを全てLinuxに置き換えればみんな幸せになれるという、あまりにも子供っぽい無邪気な思想よりもずっと健全に思えました。一極集中すれば、どんなOSであろうと狙われて破られるだけでしょうからね。それよりは、多様であることはマシであるだろうし、多様であることには他にもいろいろなメリットが考えられます。
しかし、OSの多様化も、マクロ規模においては、あまり良い選択ではないという意見が突き付けられてしまったわけです。
これは、どんなOSを使うにせよ、地道にコツコツとセキュリティ対策を行いながら運用するしかないと解釈すべきなのでしょうか? (まあ、そんなものだろうと思ってネットワークを運用していますが……)