2004年03月20日
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ハードウェアを扱うことを断念した瞬間と、断念することに思い至らなかったプロ達?

Written By: 川俣 晶連絡先

 最近、こんな記事がチャットで話題になっているのですが。

ユーザーからもベンダーからも大切な技術が失われている

 デジタル回路が発振してしまったが、その原因を究明するためのアナログ技術を持った技術者がおらず、社内で探したら取締役が来たという話は笑い話にしか思えませんでしたが、笑い話ではないでそうです。

 これを読んで思い出したのは、私がどこでハードウェアを扱うことを断念したのか、ということです。

昔は半田こてを使うのが当たり前だった §

 ゲルマラジオを作る電子工作少年からアマチュア無線を経てマイコンに辿り着いた経歴からすれば、私にとって半田こてを使うのは当たり前です。

 実際、8080Aのマイコンを自分で回路図を引いて作ったり、H68/TRやPC-8001を自分で改造して使ったりしていました。

 けっこうTTLの番号も知っていたし、真理表を書いて回路の最適化などもやっていました。(負論理入力、負論理出力のORが欲しくて最適化したら、ただのANDになってしまって、「なるほど」と思いながら7408を買いに行ったり)

 とはいえ、それでプロになろうとは思っておらず、あくまで少ないお金を有効活用するため、手持ちハードの強化のための知識でした。つまりは、アマチュアです。

 そのアマチュアが、アマチュアであることすら断念したのは、パソコンのクロックが10MHzを越えたあたりからです。クロックが10MHzを越えたらもう高周波回路だからそのための知識が必要、というような話を聞いて、それももっともだと思い、このあたりが潮時だと思ってハードを扱うのは辞めました。一応、もともとは超再生FMラジオを作るとか、アマチュア無線で50MHz帯の機器をいじったりして、高周波回路についての経験が無いわけではありませんが、それでも深刻なトラブルになったら手に負えなくなることが分かっていましたので、無理にやろうとは思っていませんでした。

 しかし、もしこの記事で見られるように、ハードのプロが、たとえデジタル回路の技術者であろうと、アナログ技術が分からない、などということがあり得るとは信じられません。結局のところ、デジタル回路も、アナログ回路の一種です。その知識抜きでプロの技術者になれるとなると、これはもう日本の物作りの未来も暗いのかな、などと思ってみたり、みなかったり……。

他人事ではない §

 ちなみに、ろくに基礎が出来ていないのにプロを名乗って自らトラブルを招来して解決できないような人は、ソフト開発の世界にもゴロゴロしていますね。

 けして、他人事だと思ってはいけないと思います。

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