今日は、江戸東京博物館のシンポジウム「江戸城と丸の内」に行ってきました。
内容的に興味があったことに加え、最初に江戸東京博物館に行った時に買った「江戸東京学の現状と課題 幕末明治における緯度東京文化の受容と発信」も、これと同じシンポジウムの報告書だったわけですが、それと同じものが生で聞けるチャンスに、いろいろ無理をして行ってみたわけです。
しかも無料です。東京都の予算を使うことで無料を実現しているようです。
人が多いよ §
予想以上の凄い人出でした。
1階奥のホール(映像ホールではない)が満員状態でした。
これはスタッフも予想外だったようです。レジュメが足りなくなってスタッフが大あわて。
それにより、開始時刻が遅れていました。
大ヒットの江戸城再建 §
最初の館長の挨拶はレジュメ用意の時間稼ぎのために長くなっていましたが、いちばんヒットしていたのが江戸城本丸の再建計画です。1853年に消失した本丸を、200年後の2053年に再建したいそうです。スケールの大きな話ですね。
客員教授:松尾美恵子:「江戸城門の内と外」 §
江戸の街の構造とそれを区切る橋と門についての話でした。
話の手際は悪かったものの、題材は面白いと思いました。
東京都写真美術館:原 史彦:「写された江戸城」 §
明治初期に撮影された荒れ果てた江戸城の写真。それは私も見たことがあります。しかし、それが撮られた真の理由について、従来話に聞いていたものとは違う、鹿鳴館関係の写真集のためだったという説を披露されていて興味深いと思いました。
助教授:米山 勇: 「近代都市・丸の内の容貌」 §
丸の内の様々な古い建築物について紹介しつついろいろな論評や解説を加えていました。
デジタルとアナログ §
原さんはアナログ専門ということで、資料も全て切り貼りで作成し、パソコン画面を表示することもありませんでした。一方、米山さんはパソコンを使いまくった動画も含むリッチな画面をプロジェクタで投影しつつ話をしてくれました。この二人は互いに相手を意識しているようで面白いですね。
コンドルは飛んでいく §
コンドル、と言われても「コンドルは飛んでいく?」などとトンチンカンなことを思わないで聞いていられたのが、ちょっと興味深いところです。コンドルが手がけた建物を既にいくつか見ていて、「ああ、あの人」とすぐ思うことができました。その他、話題になった場所は(古)地図で見たり、現場を見たことがあったりするケースがあり、スムーズに理解できました。
江戸城は天皇の住居ではなく城である §
明治に入ったあと、江戸城は天皇の住居か城か、という問いかけがなされ、それは城であるとい答が返ってきたそうです。城とは戦闘を意識した施設であるということですね。実際に、皇居東御苑に行った時に受けた印象と一致します。
建物趣味は好きだけれど…… §
江戸城と丸の内に関するシンポジウムということで行ったわけですが、むしろ建物に関する話題を堪能できる建物趣味者には好適なイベントであったと言えます。つまり建物趣味者である私にはピッタリ……かと思いきや。
どうも、これは性に合わないと感じました。13時頃から17時過ぎまで、ずっと座っているのが、かなり苦痛でした。やはり私は自分の足で現物を見に行く方が性に合っているようです。いくら、スクリーンに良い味の建物が投影されても、それだけでは燃えられない感じです。