謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
2004年10月24日のゾロリの感想。
今頃去年の10月のゾロリを見ているのかって? その通りです (汗。
サブタイトル §
だい38わ:「けっこんする!?」
あらすじ §
警察の目を欺くために女装して「ゾロエ」と名乗ったゾロリ。
しかし、警官のイヌタクはゾロエにプロポーズし、ちょっとした誤解からイヌタクはポロポーズOKだと誤解しています。
イヌタクの実家に連れ帰られたゾロリは、イヌタクの母から厳しい花嫁修業を課せられます。
しかし、ゾロリは徐々に自分の境遇に酔いしれていき、花嫁になっても良いという気持ちになっていきます。
結婚式の日、イシシとノシシが教会に乱入し、ゾロリを連れて逃げます。
我に返ったゾロリは、警察の追跡を振り切ります。
感想 §
これは参った。
内容が凄すぎます。
女装したゾロリが、どんどん女であることにはまっていき、最終的には喜んで自ら花嫁になろうとしてしまいます。
特に、ウェディングドレスを着た自分を鏡の中に見て、自分が求めていた理想の花嫁は、探し出すべきものではなく、自分がなるべきものだったと悟る瞬間。これはもう、健全なる社会常識を踏み外した危険な道筋と言わざるを得ません。(社会常識なるものは、すべからく相対的な価値観として認識されるべきであることを踏まえてもなお)
更に特筆すべきは、そのような危険な道筋が、子供には好ましくない性的描写抜きで成立していることです。ここには、けして裸であるとか、どぎつい下半身の描写などはありません。ゾロリは、常に服をまとっていて、常識の範囲内の振る舞いを踏み外しません。(ジェンダーを踏み外している点だけを除けば)
それにも関わらず、異性の服をまとった自分に自己愛的な陶酔を感じるゾロリは、大幅な社会的規範からの逸脱という甘い果実に浸りきっていて、かつ、それが視聴者の共感を得ることが可能な表現方法で描かれています。
実に凶悪なまでに面白い内容です。
今回の一言 §
もちろん、このようなものを子供に見せることで、服装倒錯や性転換願望を刺激される子供が出現する契機になることは考えられます。しかし、そのような刺激を発生させる出来事は社会にゴロゴロ転がっています。その中には、明らかに過剰、不健全でかつ不適切なものが含まれます。このゾロリのエピソードのように、品のある丁寧な描写が契機になる方が、それらを契機とするよりもよほどマシではないか、という気がします。