また、遠野さんから難物が持ち込まれました。
どのように難物かといえば、作者本人が「いったい何を表現しているのでしょうね」などと、ふざけたことを言っているにも関わらず、完成された作品であると断言して掲載してしまったことです。
その難物ぶりは、以下の現物を見れば分かると思います。
一瞬で読み終わるほど短い内容なので、ともかくお読み下さい。
さて、お読み頂いたと思いますが、悩む気持ちがお分かり頂けますね?
パンツですよ。それにプロペラが付いていて、エンジンが付いていて、空を飛ぶのです。いったい何を言っているのでしょう?
実は、恐ろしい解釈が1つあり得ることに気付きました。
ここに出てくる「僕」のパンツは空の彼方に飛び去っています。
ということは、もしや「僕」はパンツをはいていない、ということでしょうか?
つまりは、遠くまで空が見えるような開けた場所に、僕はノーパンのまま堂々と胯間を見せながら突っ立っていたのでしょうか?
あり得る別の解釈・ラジコンパンツを飛ばした別の男 §
testml4で話題をふってみたところ、宮崎駿ネットワーカーファンクラブのきよりんさんがコメントをくれました。それは以下に掲示されています。
おお、なんと!
パンツとは、下着のパンツではなく、ラジコン飛行機の隠喩であるとずばり突き抜けた解釈ですね。
これは、グローエンジンや、飛び去ってしまう結末の全てを説明できる合理的な解釈です。
お見事です。
だが他の解釈も否定はされない…… §
さて、きよんさんの解釈が見事であるのは事実であるとしても、それが唯一の解釈ではありません。
見事ではないノーパン解釈も100%否定されたわけではなく、依然として残ります。
そして、他の読者の方々も、様々な解釈を考えたり、持ったりしたと思います。
むしろ、この手のシュールな詩は、読み手の中に眠っているイメージを呼び起こすためのスイッチとして機能するものであって、真の主役は詩ではなく読者であると言えるかも知れません。
そのような観点から作品を構想したとすれば、遠野さんもまた1つ成長したと言えるかもしれません。
オマケ: 遠野秋彦ミニインタビュー §
注: と=遠野秋彦
私「プロペラパンツ、なかなか奥深い見事な作品です」
と「そうですか? あれは、単なる駄洒落に過ぎませんが」
私「えーと、どこが駄洒落なのでしょうか?」
と「本当はロケットパンツだったのです。最近話題にした某巨大スーパーロボットの武器の名前のもじりです」
私「はぁ」
と「ですが、ロケットパンツは同案多数だったので、却下しました」
私「確かにそうでしょうね」
と「でも、書いたフレーズが魅力的だったので、言葉を換えて復活させました。ロケットパンツは、プロペラパンツとして蘇ったのです」
私「では、読み手の解釈に委ねるシュールな作品として構想したものではないと?」
と「(きっぱり)本来は駄洒落です」
どうやら成長していなかったようです…… (汗。