弊社の電子出版物は、PDFの派生技術としてのAdobe eBookフォーマットで作成されています。
初期には、PDFを読むツールと、eBookを読むツールは別個でした。
しかし、今は統合されています。Adobe Readerというソフトがそれにあたります。
そして、電子出版物だけでなく、様々な文書がこれを経由して読まれる時代となりました。
今日も、著者校正が1つPDFで届きました。それを見ながら、内容をチェックしました。
(つまり、私は、社内に向けては電子出版物の編集者であるのに、外部に向けては著者であるわけです。何とややこしい!)
しかし、読んでいて思うのは、サイズ調整のやりにくさです。
横長の画面で、縦長のページを読む場合、縦方向を画面に入れると文字が小さくなりすぎて読めません。かといって、横方向を画面に入れると文字が大きすぎます。その時のウィンドウサイズなどにもよりますが、しばしば丁度良いサイズを手動調整しなければなりません。
電子出版物をAdobe Readerで読む場合、つまりこういう使い勝手の悪さが発生するわけです。
(かつてのeBook Readerではそういうことはなかったのに……)
このあたりが改善されることが、電子出版が普及するための1つの鍵かな、という気もします。
ということを私が書くというのは §
こういうことを私が書くというのは、実は昔ほどPDFを毛嫌いしなくなった、と言うことでもあります。
昔に比べればPDFも改善が進んでいるし、泥臭い用途については確かにPDFは役に立つ、ということを認めねばなりません。
それよりも問題は未来です。
PDFをベースにした電子出版は、レイアウトを保持することの重要性を踏まえる限り、有望だと思います。
しかし、現在のAdobe Reader 6.0~7.0のユーザーインターフェースは、読書のために便利とは言えません。
つまり、今の私の問題意識はそこにあります。
ついでに、XMLベースの原稿から自動レイアウトしてPDFファイルにする技術も興味があったり……。暇がないので、まるで手を付けていませんが。