書けば書くほどネタが無くなって苦しくなる電子出版事業部便りです。
久々に同人誌(コピー誌)を作りました。
どのような本であるかは秘密! (バレバレではありますが)。
しかし問題は、またしても手慣れたPageMaker 7.0を使ってしまったこと。いい加減、InDesignを使えよな、と思います。電子出版関係のオーサリング用としてインストール済みですから。しかし、僅かな時間でえいやっと作り上げるには、まだ未知の部分が多いInDesignでは無理があり、どうしてもPageMakerに走ってしまいます。
PageMakerとの因縁 §
それはさておき、実はPageMakerというソフトと私は浅からぬ因縁があります。
マイクロソフトの社員時代、日本語版Windows 2.1, 2.11, 3.0を手がけたわけですが、その際2.11の時代に私が徹底的にやり抜いたのが縦書き機能が完全に稼働するようにする改善でした。それまでは、縦方向の縦書きを行う場合、何と本体漢字ROMを描画したビットマップを270度回転させて印刷することしかできず、どんなに綺麗なフォントを備えたLBPでも16ドットの汚いフォントで印刷されていたのです。それを徹底的に直しました。
このような対処は、某H社の本当に有能なテスターからのレポートを元に取り組んだものでしたが(こんなに凄いテスターを持っているのが真の大企業の凄さだ!)、実はこの機能は日本語Windows初のDTPソフトであるPageMakerの発売と密接な関係があったのです。つまり、私がそれと知らずにWindowsの縦書き機能を徹底的に叩き直してまともに動くようにしたことで、Windows DTPの世界はスタートしたと言えるのかも知れません。
もっとも、当時はMacintoshのDTPが全盛であり、その後何年もWindows DTPは迫害と無視と侮蔑を受け続けることになりますが……。
ちなみに、当時のPageMakerは(確か)アルダスという会社の製品で、まだアドビの製品ではない無いダス。
DTPでの縁 §
昔は少しだけWindows DTPに興味がありました。
しかし、当時はまだQuarkXPressのWindows版が存在しておらず、PageMakerが最も使えるという話でした。
というわけで、必然的にPageMakerをちらっと使ってみたり、テスト的に同人誌原稿を作って入校してみたり……ということもやってみました。
いや本当に、いちばんちゃんと動くのはどれ? というと、PageMakerかな、という感じだったのでこれを選択。意図せずして、もう一度、PageMakerとの縁が発生しました。
QuarkXPressの夢破れて §
このあと発売されたWindows版の日本語QuarkXPressも買いました。しかし、これは印刷会社側がほとんど対応してくれず、完全に無駄な出費になりました。結局、PageMakerが最も安心という時代が続いたのです。
その後、Windows DTPからは完全に離れました。
そしてAdobe eBook §
Adobe eBook形式の電子出版をやる、ということになったとき、オーサリングは必然的にPDF形式を経由することになります。
この場合、DTPソフトでレイアウトを組みたいわけですが、もはや印刷会社の都合に振り回されることはありません。
その際、PDFを出力できるDTPソフトはというと、QuarkXPressとPageMakerが手元にあったわけです。ではどちらを選ぶか?と言われれば、Adobe eBookという以上は、同じAdobe製品であるPageMakerを選ぶ方が安全であろうと思われたわけです。この時点で、まだInDesignは発売されていません。
というわけで、Windows DTPから離れた私に、もう一度PageMakerとの蜜月の時代が訪れたわけです。
愛すべきPageMaker? §
いや、これほど縁があって使っていても、実はPageMakerが快適とは思っていません。
長文を流し込むと、必ず文字化けする条件があるのですよね。空白文字を段落末に挿入して1バイトずらしてやると化けが収まったりします。
だから、本当は別のソフトへの移行を望む気持ちは大きいのです。しかし、コンパクトさや妙な偏屈さも含めて可愛いところもあるわけで……。
なかなか悩ましい。