うかつにも、秘密結社 鷹の爪の劇場版(THE FROGMAN SHOW 劇場版 秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~)が既に公開されていたことに気付かず、深夜の特番で初めて気付きました。
そういうわけで、東宝シネマズ府中での上映の初日第1回上映に行ってきました。
ちなみに、前夜に特番のTVシリーズ全話放送の録画見て予習したので、TVシリーズと連動するネタはたぶんほとんど分かったはずです。
マナー注意も鷹の爪バージョン §
映画上映前のマナー注意も鷹の爪バージョンでした。
始まる前からムードに浸ることができて良かった!
笑える §
ともかく笑えます。
しかも笑いの質は高いと言えます。
最近は、質の低い笑いも増えたと感じるので、これは貴重です。
ちなみに、質の低い笑いというのは単に意外なものを見せて脊髄反射で笑わせるだけの行為を意味します。これは、その一瞬だけしか可笑しさが持続せず、しかも刺激に慣れると可笑しくなくなります。
それに対して、質の高い笑いとは、つまり「喜劇は最大の悲劇である」という原則をきちんと踏まえたものですね。今回の映画でも、鷹の爪団と総統を襲う危機的状況の数々は、冷静に考えれば悲劇そのものです。
それを笑い飛ばせるというのは、生きる勇気そのものです。
工夫が多い・しかも、予測の1枚上を行く §
バジェットゲージシステムや、告白タイムなど、工夫の多さも特筆されます。
しかも、これらの使い方が非常に上手い! 単に新しいアイデアを入れました……というだけでなく、それがきちんと作品の盛り上げに役立っています。
この点は、どれほど予算を注ぎ込んだ映画、大人数のスタッフを注ぎ込んだ映画にも絶対的に勝てる部分でしょう。
毒もある §
フィリップの死の真相を明らかにする映画ですが、結局フィリップの死は回避できません。
総統の息子のことが明らかになる映画ですが、これも(以下略)。
更に、鷹の爪団にたかり、パーティーで飲んだくれるデラックスファイターの人間味溢れる「ダメさ」も見所でしょう。
「え、そこまでやるの?」というレベルの毒が魅力です。
泣ける §
最終的に、感動で泣ける映画です。
その感動は、子供っぽいスケールの大きなきれい事ではなく、店子から家賃を回収する大家さんのレベルのリアリティの語りから得られます。
これは、地に足が付いた素晴らしい結末と言えますね。
浮ついた夢物語とは違う別の何かがある……、ということです。
結論・本当に良い映画だ! §
これは本当に良い映画です。
ぜひとも劇場で見るべきでしょう。
問題は、「たかがFlashのネタ的ムービーを、なんで金払ってしかも劇場の大スクリーンで見なければならないの?」的な思い込みを打破して、見る価値を説得することの難しさでしょうか。
余談 §
いきなりオープニングが映画「イノセンス」のパロディで、しかもそのCGだけでいきなり予算ゲージが半分になるというのが笑えます。更に、作中登場人物がゲームを見て焦っているという描写が、また素晴らしい!