叔父は、12年前に現在の家を建築する際に、長年の夢であった大Nゲージレイアウトを建設するための屋根裏部屋を作りました。
しかし、子供達が全て結婚、自立して別居する状況で大きな家を維持する意味はないということで、この家を売却してマンションに引っ越すことになりました。
既に買い手も決まっているため、このレイアウトの解体も時間の問題となりました。そのようなわけで、最後の姿を見せてもらってきました。
概要 §
Nゲージのレイアウトです。たいていの長大編成を手狭感無く走行できるだけの広さがあります。
本線は二重にひねったエンドレス(変形8の字)で、本線上に2列車を同時に走行させても(同一のパワーパックから同一の電力で走行させても)、なかなか列車が接近しないだけの走行距離があります。
もう1つ、ローカル線風の単線のエンドレスもあります。
今回走行させた車両は、以下の通り。(ただし、厳密に確認していないので推定含む)
- ローカル線のディーゼルカー3両編成(キハ20系あたりか)
- EH10牽引の貨物列車
- EF58牽引のスハ44系展望車付き (C62は調子が悪く走らなかった)
- 181系特急列車9両編成
ほぼ全景 §
右のヤードと左の主要駅が切れていますが、これがほぼ全景です。
天井や壁は、雲をあしらった青い壁紙になっています。はしごに近い折りたたみ階段を降ろして、2階の部屋から昇ります。
主要駅と運転場所 §
上の写真で切れた左側主要駅の全景です。手足が写り込んでいる場所は、コントローラがあって運転する場所です。
この駅が最初からあった駅で、レイアウト中央部分の盆地部分は駅を含め、後から増設された箇所です。(当初、中央はメンテナンス用の穴になっていた)
電飾 §
ライトも多数入っているので、暗くしても楽しめます。右のファミレス店内、線路奥の建物内、手前公園の街灯(水銀灯?)も光ります。ファミレス脇の公園で語らうカップルまで作り込まれているのが良いムードです。
線路の向こう §
住宅の間の道から線路が見え、その向こうにまた建物が見えます。
保線作業する人 §
運転場所からはこういう光景が見えます §
屋根裏レイアウトの問題 §
天井が低いのはやむを得ません。
問題は、やはり熱です。
太陽で暖められる屋根の熱が直接来るので、話にならない暑さになります。
しかも、エアコンも無し。
温度変化の過酷さは想像を絶します。
調子の悪いポイントなどが出るのもやむを得ないと個人的には思います。
おそらく、これだけのレイアウト建設スペースが得られれば、エアコンがない暑さ寒さぐらい……と思うかもしれませんが、それでも無理があると思いました。
それから、車輪やレールの汚れの問題も、馬鹿にならないようです。車輪を清掃する専用の道具も作成して使用していました。
故障して交換できないポイントもあるそうです。(一部は手動で操作しなければならない)。建物に仕込んだ電球も光らないものがあります。
これだけ過酷な条件ながら、それでも181系などがスムーズに走っているのは見事。これはKATOから発売直後のもので、相当の年数が経っているそうです。動力台車を交換した他は、古いままだといいます。
感想 §
たぶん叔父はレイアウトを建設したNゲージファンとしてはかなり理想に近い建設部屋を手に入れて、だからこそ線路で埋め尽くすような大レイアウトを建設したのだと思います。
しかし、このレイアウトが抱えた問題の数も想像以上だったと思います。とても多くの有意義な教訓を残してくれたと思いますが、この後時間が取れ次第解体されていくそうです。