2008年08月07日
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BLUE DRAGON 天界の七竜・ブーケの望みを覗き見ることに失敗したのに笑うロッタレース!?

Written By: トーノZERO連絡先

 BLUE DRAGON 天界の七竜は、今のアニメの中でトップクラスの「凄み」を感じさせてくれます。特に、心を描くという意味では傑出しています。それは今時のアニメにしては立派という意味ではありません。そうではなく、真に優れていると思います。

 最近、特に良かったのは2008年7月26日放送の第17話 「ちゅるちゅるのあはん」です。このサブタイトルからは想像も付かない素晴らしい内容です。

あらすじ §

 あらすじは簡単です。

 上位生命体のロッタレースが、ブーケの心を探り、真の望みを知ろうとします。

 ロッタレースは、ブーケの喜怒哀楽の様々な感情の先にある彼女の望んだ世界を順番に見て、最後に真の望みを知ろうとします。しかし、女の子を追いかけて走っていたマルマロの乱入で、それを知ることはできないまま感情を覗く術は終わってしまいます。

 本当に見たかった肝心の部分を見られなかったにも関わらず、ロッタレースは笑ってその場を立ち去ります。

つまりここだ §

 ロッタレースは、見たかったものが見られなかったのに笑います。

 心とは理屈で簡単に割り切れない矛盾した存在であり、であるからこそ、明らかに矛盾した心理を見せることがあります。

 この点にこそ、このエピソードの絶大な魅力があります。

 なぜ笑ったのかは分かりません。

 しかしロッタレースとブーケは、敵味方ではなく、異質な世界を越境した友人関係になりつつあります。

 まず相手に魅力を見いだし、そして相手を理解しようと努力します。まず心惹かれる好意ありきで、理屈や情報は後から付いてきます。

 そのようにして異質な立場にありながら友情を持った2人には、他人が入り込めない特別な価値や魅力が生じます。

 そのことは、新エンディングテーマの『Sunnyday』の2人のカットの表情によく出ています。ロッタレースはブーケの肩に笑いながら肘を載せていて、振り返るブーケは「何それ」という口をゆがませた表情になっています。しかし、ロッタレースの腕を振り払うそぶりは全く見せていません。まさに互いに心を開き、何でも互いに言える友人関係ならではの態度でしょう。

 立場を超えてそうなることができるのは、実に素晴らしいですね。

『Sunnyday』の絵もいい §

 余談ですが、『Sunnyday』の歌に付いている絵もいい。

 静止画なのに動いて見えます。

 そして、各人の性格や関係、魅力などが克明に描かれています。

 アニメは動きで見せるもの、というのは1つの真理であるとはいえ、1枚絵で様々な心理、立場、関係、魅力などを示すのも1つの表現方法です。そして、それは別の意味で難しいチャレンジングな表現となります。それを見事に描ききり、しかも楽しくワクワクする感じまで与えてくれるのですから、『Sunnyday』の絵は見事です。

余談 §

 私が見ている範囲内だけで言えば、今現在(2008年8月)のTVアニメで本当に見るべきものは「BLUE DRAGON 天界の七竜」と「遊戯王5D’s」です。この2つは、いろいろな意味で傑出しています。どちらも今ひとつ話題にならないような気がしますが、これが私の評価です。

追記 §

 うっかり見落としていましたが、このエピソードは脚本、浦沢義雄でした。これを書けるとは、さすがです。

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