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2008年12月01日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記total 2536 count

1964年生まれと水路趣味の密接な関係を明快に示す加瀬竜哉さんはTVにも出た!!

Written By: 川俣 晶連絡先

 前から、加瀬竜哉.com no river, no lifeについては1回書く必要があると思っていました。しかし、しばらく更新も無く見に行く機会も減り、何となく先送りされていました。

 しかし、久しぶりに見に行って愕然。

 加瀬竜哉さんがTVに出ている……。NHKの熱中時間。しかも、7回も放送され、最後の再放送は何と2日前の11月28日……。僅か2日の差で最後の再放送さえ見られないとは……。

 とはいえ、見られなかったことにそれほど悔しさがないのも事実です。なぜなら、加瀬竜哉さんがTVクルーに見せようとしたものは、本質的に私が普段見ているものと大差ないだろう……ということが予測できるからです。むしろ、「あれを見せようとした」という状況にこそ、ある種の痛快さを感じさせます。

問題の要点はどこにあるのか §

 ここで注意すべきことは、「私の水路趣味」と「加瀬竜哉さんの水路趣味」には重なるところが多くある(と思う)が、それは必ずしも他の水路趣味者の水路趣味と同じではない、という点です。たとえば「世田谷の川 探検隊」さんの水路趣味とは明らかに違います。

 それはさておき、過去に書きかけの原稿があるので、それを以下に掲載しましょう。小さな話題から本質的な話題に進んでいきます。

no river, no lifeとは §

 このサイトは、宇田川、玉川上水、渋谷川、桃園川などの跡地(暗渠)をひたすら歩いて写真を添えて紹介しています。

 これはもう、私の興味領域と非常によく重なっています。

 しかし、共感を感じた理由はそれだけではありません。その理由をいくつか書きます。

水路網にこだわる §

 玉川上水下高井戸村分水というテーマに開眼した後、最近の私は、道路網、水道網に加えて、それらとは全く異質な第3の「網」として水路網があると認識しました。それは身近にあって重要な役割を果たしていたものです。埋められたり暗渠化されて見えにくくなっていますが、それは重要なものです。それを把握することは様々な事柄を知るための避けて通れません。

 実際、玉川上水と神田川を結ぶ神田上水助水路の存在を意識するようになってから、新宿西部の状況把握は飛躍的に進みました。

 だから、特に重要なテーマとして水路網を注視しています。

 "no river, no life"は、単に水路網を扱っているのではなく、その重要性を認識して水路網こそ注目すべきものだと示している点で非常に心情的に近いものを感じます。

自分の足許にこだわる §

 どこか遠くの凄い場所ではなく、かつて住んでいた場所や現在の住居や仕事場など、あくまで自分の周囲に特化しています。

 これは、私がひたすら下高井戸や自分の知っている場所、縁のある場所にこだわり続けることと似ています。

 自分の目の前にあるものをきちんと見て把握することは大切です。自分が立っているものの正体を知らないで雲の上の話をするのは、あまりに危うすぎます。

子供時代の当たり前の風景 §

 子供時代の当たり前の風景が実は当たり前ではなかった、という自分の来歴を解き明かす行為は、全く私と共通です。

 おそらく、加瀬竜哉さんが宇田川を見る視線と、私が玉川上水を見る視線は似通ったものでしょう。

失われた川沿いの住人 §

 私が生まれ育った家は、玉川上水の脇にありました。より正確に言えば、私が物心ついたとき、既にそこに水は流れていませんでした。かつて住んだ家の目の前が水路だったという加瀬竜哉さんの過去と重なります。

ひたすら歩く §

 方法論が、「歩く」というのもまさに同じ。

 これは重要です。

 自転車、バイク、車ではなく、歩いて納得するのです。

 何回も繰り返して強調しますが、これは重要。

 現地に出向いて自分の足で歩くことは重要。

個別の話題から得る共感 §

 明大前付近の神田川沿いの写真。以前よく散歩で歩いた場所そのもの!

 渋谷側の源流を辿るというのは、加瀬竜哉さんは実際に歩いていますが、私は古い地図や航空写真を頼りに地図上で辿っただけでした。しかし、同じような確認作業を行っている人がいると知るのは嬉しいことでした。

 桃園川関係はさすがに私には縁がないだろうと思っていましたが、天沼弁天公園は訪問したことのある場所でした。だから書いてあることが良く分かりました。私はあくまで杉並区郷土博物館分館が目的だったので公園そのものには何ら突っ込んでいませんでしたが、このサイトのおかげで、ただ門だけ立っている謎の「門」の正体や、この公園の来歴も分かりました。まさか、そんな来歴があったとは。

守備範囲の微妙な差 §

 加瀬竜哉さんが扱っている範囲は、おおむね西側は明大前のあたりまでです。

 私の守備範囲の東側はおおむね明大前あたりまでです。(注: この文章を書いた後で環七あたりまで拡大されている)

 つまり、守備範囲が微妙に違うのです。

 それゆえに、同じ場所はあまり歩いていませんが、私が歩いた場所のその先を彼が歩いている、という連続性を感じられます。

 そこもまた興味深いところです。

同じ1964年生まれ §

 1964年生まれをオリンピックベイビーと称していますが、これは東京オリンピックを契機に変化した東京の変化後しか見ることができない立場を示します。しかし、変化の残渣は残っていた時代に育ちました。この立場は非常に微妙なもので、上の世代とも下の世代ともどこか違う感覚があるような気がします。(個人差もありますが)

 さて……。一部加筆修正しながら、2008年3月頃書いた原稿を掘り起こしてきたわけですが。

 最終的に問題となるのは以下の点です。

  • まるで最初から無かったかのように隠蔽されてしまった過去を掘り起こす

 それを行わねばならない世代的な必然性は、やはりオリンピック・ベイビーという共通項があるように思います。時代の区切りに生まれながら時代の区切りそのものには立ち会えなかったジレンマが、知りたいという欲求の駆動力になるのかもしれません。更に言えば、明らかに過去を捨てる、隠蔽するという行為が社会の全般で進行していた時代であり、うっかりすれば容易に誤った過去像を植え付けられかねません。しかし、社会や組織の都合で作られた虚構としての過去像など、現実の問題を解決するには力不足です。だから、より正しい過去像を掘り起こさないと、的確な問題認識すらおぼつきません。

 そう……。行動云々というレベルの話ですらなく、まず問題を的確に把握できない状況に苦闘することになるわけです。(しかも、分かれば分かるほど、単純な行動で問題を解決できるはずもないことが分かってくる。だから、私自身は必ずしも行動したいわけではない。知りたいが、必ずしも行動したいわけではない)

 では、どうすれば実際にあった過去を掘り起こせるのか?

 有効性には地域差があるものの、水路、暗渠への着目はその点で有意義だと思います。なぜなら、以下の2つの条件を満たすからです。

  • 1964年前後を境にして大きく変貌した
  • しかし、水路跡の痕跡が残っているケースも多い

 つまり、痕跡を辿ることで、変更よりも前の状況を思い描くことができる可能性があるわけです。

 これは、紙資料を見て思い描くこととは違います。書かれた文章はいくらでも嘘がつけるし、誠実な著者であっても勘違いや不完全な記述が入り込むことは珍しくありません。しかし、実際の土地に残る物証を辿っていけば、過去の事実に手を伸ばすことができます。紙資料は物証を解釈するために後から出動するものでしかありません。(あるいは、物証を見に行くためのヒントとして使われるものでしかありません)

 だから、そのような意味において、私は加瀬竜哉さんに共感するところがあるし、そのような共感は必ずしも他の水路趣味者の方々に向けられるものではありません。

 まあ、加瀬竜哉さんがそのような共感を喜ぶか否かは別の話ですが (汗。

余談 §

 とりあえず、1つの野望を思いつきました。

 TVクルーを引き連れて玉川上水最短の分水、下高井戸分水の跡地を歩く! (笑)。

 純粋な分水の跡地だけなら30分も掛からない短さで、あっけないことこの上なし (笑)。

 しかも、「分水はここを直進していますが、今の下水道網はここを曲がっているんですよね」などと説明しても、ビジュアル的に面白くも何ともないこと間違いなし! (笑)

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