25巻の最初の感想です。
全般的に §
前半はもう凄い密度と緊張感で驚かされます。数ページで1冊読んだぐらいのインパクトが続々と。オールスター総出演的な展開が、予想を上回るペースで続々と。フェイト陣営との全面対決がこうも早々と実現されてしまうとは。
後半に入ると、予想を上回るペースでこれまで伏せられてきた隠し情報が一気に暴露されていく感じで、愕然とさせられます。誰ですか、そのアリカ王女というのは。
テーマは白と黒か §
まず開始早々223時間目の扉絵のネギパーティーが見事に「黒」のパーティーであること。(山形のレイアウトも見事に美しい)
対するフェイト陣営の者達が全て「白」を基調とするカラーリングであること。
これを見て、まさに過去に考えた「光と闇」の対立という構造をネギ達とフェイト達が取り、しかもネギ側が「闇」であるという推定が肯定された気がしました。
更に、「白と黒」というモチーフはラカンの下着論議において反復されます。フェイト陣営の「暦」は本来「白陣営」であるにも拘わらず下着が「黒」だったという理由によって反撃の糸口をラカンに与えてしまいます。
更に言えば、ナギパーティーも「白」であり、ラカンも「白」です。ここで、「白」が「黒」に味方するという一種の倒錯が発生します。
つまり、「白と黒」というモチーフは、提示された瞬間から混濁へと進み始めます。
この混濁は、実は一度「黒」の術式兵装が解除されたあとのネギが再登場する際、「白」の光をまとって出現することで頂点に達します。
また、「黒」の服を身にまとった刹那は、「月詠」によって脱がされると「白」の下着姿を晒します。
これが何を意味するのかはまだ分かりませんが、実に面白い趣向です。
※ ちなみに、のどかは「白」。明日菜はもしかしたら半分「白」で半分「黒」かも
パルの船とアリカの船 §
ラカンが語る回想シーンにおいて、アリカ王女を見送る際に飛んでいく船は、パルの船と全く同じに見えます。ペイントまで同じなので、単なる同型の船とは考えにくく、パルが中古で買った船がまさにこれだと考える方が筋が通っているようにも思えます。
本屋ちゃん最重要人物となる §
戦闘力もなく脆弱だが度胸だけはあるのどかが、「読心術士」として両陣営の中で最重要人物として浮上するのは興味深いことです。実際、この場に限れば、明日菜以上に重視された人物です。
まとめ §
やはりこれは凄いですよ。
これだけの作品はそうそう読めるものではありません。
読み解く趣向も濃厚です。