最近、電力関係に興味が向いた結果として、京王電鉄のいくつかの変電所にも興味を向けています。
そのため、駒場東大前に行くと、駒場東大前変電所もつい見入ってしまったりします。
さて、「駒場東大前駅付近から見える「川跡」は目黒川支流の「空川」(そらがわ)」の地図に描いた空川のラインを、2009/04/28に東京都下水道台帳を元に細かいラインを引き直したあと、結果を眺めているうちにはたと気付いたことがあります。
「駒場東大前変電所は、線路と空川跡に挟まれた狭い場所にある!」
「この構造は、高架になる前の笹塚と同じではないか!」
笹塚の構造 §
笹塚には、京王線最初の変電所があり、東京電灯の淀橋変電所から電力の供給を受けていたようです。
しかし、古地図を見るとこの変電所は位置を線路北側から南側に変えているようです。南側の位置は、京王線の笹塚駅が高架になるまで続いていたようです。この南側の位置は、京王線の線路と玉川上水に挟まれた狭い場所にあたります。現在の京王フィシオ笹塚の場所と思われます。
この「水路が線路に最も接近する箇所付近で、線路と水路の隙間に変電所がある」という構造は、この時点での笹塚変電所と駒場東大前変電所で告示しています。
隙間ではないが天神橋変電所 §
そこで更に気付きました。
天神橋変電所は、「水路と線路の間に変電所」ではなく、「水路と変電所の間に線路」ではありますが、3者が密集していることは同じです。
水に近い和泉変電所 §
水路の隣接にこだわらなければ、実は井の頭線の和泉変電所(現在はもう無い)も、神田川に近いロケーションにあります。神田川周辺の低地に設置された変電所であり、やはり水に関わりがあります。
上北沢変電所はどうだ!? §
京王電鉄で私が場所を正確に把握している変電所は、他には上北沢変電所(桜上水駅近く)があります。
しかし、これは比較的高い土地にあり、水には縁が無さそうです。
……と一度は思いそうになりましたが、大間違いでした。
実は桜上水駅の下には、北沢川の支流の跡が存在します。留置線を含む桜上水駅全体を1つの施設と捉えるなら、この施設は水に縁が深い存在であり、それに隣接する上北沢変電所がいかに高地にあろうとも、水と無縁とは言い切れないのです。
感想 §
いやまったく。
まるで予想していなかった状況です。
私が知っている京王電鉄の変電所全てが、水に関わる場所であったとは。
それが分かった時は、自分で思いついた話題であるのに、あっけにとられました。
偶然にしてはできすぎです。
ちなみに、送電線が川を利用することが多い、という件とは直接的に関係ないと思われます。なぜかといえば、玉川上水や空川は、送電線建設のための空間確保にあまり活用されていないように見えるからです。
念のための補足 §
その後で、「全ての変電所が条件を満たすわけではないはずだよな」と思って久我山の変電所を調べたところ、ここは水とはあまり縁がなく、その代りに高圧送電鉄塔の真下というロケーションにありました。
ちなみに、比較的新しい世代の変電所はあまり水と縁のない場所に建設されているような傾向があるのかも知れませんが、まだ調査には手を付けていません。