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2009年05月16日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 4713 count

東京交響楽団 東京芸術劇場シリーズ第100回感想・あるいは「宇宙戦艦」抜きの「ヤマト音楽」という「もう1つの世界」論

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

 今日は、東京交響楽団 東京芸術劇場シリーズ 第100回に行ってきました。実に素晴らしい内容でした。ここでは、その感想ともう1つ、極めて重要な問題提起である「宇宙戦艦」抜きの「ヤマト音楽」という非常に価値のある新しい価値観についての話を書きます。ちなみに、「宇宙戦艦」抜きの「ヤマト音楽」とはこのコンサートで大友直人さんによって語られた言葉であり、私の造語ではありません。

 以下は基本的に私が受け取った私の解釈であって、事実とは限りません。けして信じないように。

基本データ §

  • 2009 5/16(土) 6:00p.m. 東京芸術劇場
  • 指揮:大友直人
  • ヴァイオリン:大谷康子
  • ピアノ:若林 顕
  • 混声合唱:東響コーラス
  • ヴォカリーズ:安井陽子

第1部・曲目 §

 (順番は予定とは変更されている)

  1. 坂本龍一:映画「戦場のメリークリスマス」テーマ曲
  2. 三枝成彰:NHK大河ドラマ「太平記」より
  3. 三枝成彰:映画「優駿 ORACION」より
  4. 服部隆之:TBS日曜劇場「華麗なる一族」より

第2部・曲目 §

  1. 羽田健太郎(テーマ・モチーフ:宮川泰、羽田健太郎):交響曲「宇宙戦艦ヤマト」
  2. 冨田勲:新日本紀行 (アンコール)

感想 §

 本論の前に感想を書きます。

 ヤマト関連のコンサート(松本零士系、宮川彬良系)は何回か聞いていますが、これはそれらとは全く異質なコンサートだったと言えます。つまり、それらがヤマトありきであるのに対して、このコンサートはあくまで音楽ありきです。演奏する曲目としての「ヤマト」という選択でしかありません。

 更に言えば、ヤマトが選ばれねばならない根拠は実はヤマトにはありません。羽田健太郎が残した唯一の交響曲がこれであるという点が選択の根拠であるようです。

 もっと言えば、このコンサートで取り上げられた作曲家達はいずれもTV等の商業ベースの中で音楽を作り出していた者達であり、それらの音楽をあえて本格的なコンサートの場に載せることで「現在進行形の音楽」を聴くという趣旨によるようです。

 とすれば、このコンサートの曲目の選択には作曲家の立場や音楽の内容だけが関係し、それ以外の部分には何ら特別な根拠や一貫性はないことになります。

 つまり、ここに「ヤマト」の音楽があることには、何ら特別なブランド的な特権性は存在しないことになります。

 話によれば、この「交響曲宇宙戦艦ヤマト」は羽田健太郎によるスコアの表紙には「宇宙戦艦」抜きの「ヤマト交響曲」とだけ書かれていて、アニメとは独立した音楽としての価値を追求したものであるようです。従って、この楽曲はまず「音楽としてどうか」という問題に沿って追求されるべき存在なのでしょう。

 そして、実際に「通俗の世界に生きた作曲家が残した唯一の交響曲」という位置づけで演奏され、素晴らしい演奏と相まって素晴らしい結果を残したと思います。

 という一般論はさておき。

 実は、個人的な感想を言えば、今までどうも良く分からなかった「交響曲ヤマト」がこれを聴いて始めて「分かった」のが鮮烈でした。それにはおそらく以下の2つの要素があります。

  • 生のオケを聴かないと本当には分からないのかもしれない
  • かつては若手だった指揮者が、実績豊富な指揮者となって表現力と完成度が格段に上がり、分かりやすくなった

 たとえば、ヤマトのメロディーが見え隠れしながら進行する第1楽章から第3楽章までは、煮え切らなさや屈折や堂々巡りを含みます。それは第4楽章に入った瞬間に吹っ切れて爆発します。それはもう、第4楽章に入った瞬間に痛感しました。第4楽章ではピアノとバイオリンのソロが入り、それらが絡み合ってテンションが盛り上がっていきますが、これはもう生で見て始めて納得するものです。凄いテクニックでピアノとバイオリンが激しい音楽を奏でるわけですが、もちろんピアノもバイオリンもたった1人が弾いているだけです。これはもう、その技量と熱気だけで圧倒される凄いシーンです。アニメ音楽感覚でダラダラとCDを聴いていても絶対に分からない世界です。

 そして、最後の最後に終わったと思わせてほんの僅かだけヤマトのメロディーが付く理由も分かりました。これは、終わったと思わせてヤマトの音楽であるアイデンティティを残すサプライズ演出なのですね。コンサートで聴けば、それは「サプライズ」であることが良く分かります。明らかに「漠然と予期された音」を裏切る「サプライズ」です。

 ちなみにスキャットも素晴らしい内容でした。ともかく上手い。これだけ上手く演じてくれればムードが違っていても文句などありません。

 たぶん、演じられたヤマト音楽としてはトップクラスではないでしょうか。

 交響組曲「宇宙戦艦ヤマト」の再生プロジェクトとは目的も位置づけも全く異質です。これは「再生」ではなく、まさにオリジナルの指揮した指揮者によるより円熟した再演です。であるから、「オリジナル」と比較してどうのという話は全くなく、純粋に音楽としての堪能だけが価値になります。

「宇宙戦艦抜き」の「ヤマト音楽」論 §

 さて、ここからが本題です。

 交響組曲宇宙戦艦ヤマト以前の状況は、おおむね以下のようなものだと想像します。

  • 音楽家は評価が欲しいが、多くの人に聴いて欲しいという願いも持っている
  • 後者を達成するためにTVや映画の仕事をすると、音楽家としての評価を失うリスクがある
  • 評価を捨ててTVや映画の仕事に専念すると決めても、人々はあくまで「(作品名)の音楽」としてしか受け止めず、「(作曲家)の音楽」としては受け止めてくれない

 交響組曲宇宙戦艦ヤマトは、おそらくこの構図を決定的に変化させました。このLPを買った者は否応なしに宮川泰の音楽としてこのLPを聴くように、ライナーノートが構成されています。

 このLPのヒットによって、おそらく以下のような3つの者達が出現します。

  • アニメ音楽という経路を通して自分の名を聴く者に意識させたい音楽家
  • アニメ音楽という経路を通して様々な音楽家や音楽ジャンルを知らしめたいアニメ関係者
  • アニメ音楽という経路を通して音楽を楽しむファン層

 このような経路を経由して名をなしたのは、おそらく以下のような面々だろうと思います。

  • 久石譲
  • 羽田健太郎
  • 川井憲次
  • 田中公平
  • 三枝成彰
  • 服部隆之

 更に、アニメではなくゲームという経路も加えれば「すぎやまこういち」という名前も入れて良いと思います。

 また、アニメというジャンルは特徴的な音楽をどん欲に取り込むことにも意欲的であり、たとえば映画1000年女王の喜多郎や、映画AKIRAの芸能山城組などが特徴的な例と言えます。

 しかし、このような方向性は必ずしも作品の中に収まるものではありません。

 アニメやゲームの世界によく見られた「イメージアルバム」というジャンルには、本編では収まりきらない更にマイナーなジャンルや意欲的な実験などが多く見られました。それらには、明らかに以下の3者が存在していたといえます。

  • そのような回路を経由して音楽を送り出したい者達
  • そのような回路を用意して音楽の流れを拡大したい者達
  • そのような回路を経由してより多用な音楽に触れたい者達

 このようなシーンにおいて、アニメやゲームは音楽を流通させるための方便であり、名を冠した作品に対して忠実である必要は全くありません。実際、メロディーラインを使った程度で、全く異質な音楽を作り上げている事例は珍しくもなかったと思います。

 さて、私は1980年代から1990年代前半ぐらいまで、「そのような回路を経由してより多用な音楽に触れたい者達」という立場にありました。それは、「変なCDコレクター」という名乗りが明瞭に示しています。これは、「イメージアルバム」のような、作品の主流からすら逸脱した特殊なCDを好んで愛好したことを示しますが、そのモチベーションは「より多用な音楽に触れたい」だったからです。

※ 追記: 「変なCDコレクター」の「変」とは、内容と位置づけが噛み合っていないという意味であり、音楽的には極めてまっとうなものが多いと言えます。念のため。

 しかし、この世界はこれまであまり意識的に取り上げられてこなかったと言えます。アニメやゲームの音楽はまず作品に忠実であり、作品のファンが支持するものであり、作品抜きで音楽が一人歩きすることはあまり無かったのではないか、と思います。

 ですが、それは実態に即していません。本当は、音楽は作品の枠を超えて一人歩きし続け、それが音楽家と音楽を聴くファンをいろいろな形で繋いでいたのは間違いないと思います。作品との関連をほとんど持たないイメージアルバムの存在は、そのような接続経路が存在していたことの1つの証明だろうと思います。

 典型的な一例は、「ヤマトは好きではないが音楽はいい」といったタイプのファンが珍しくなかったことに現れています。私も、「作品はそれほど好きではないが音楽は気に入っている」というケースがあります。

 とすれば、やはりアニメやゲームは音楽を伝える方便に過ぎず、それらは本質的に無くても良かったものとして切り捨て、音楽だけに注目して扱うやり方は「あり」だろうと思います。

 それは、作品の愛好者が作品の音楽も愛好するというスタイルとは完全にパラレルに行われるべきものであり、別世界に存在すべきものです。

 つまり以下の2つの世界が別個に独立して存在するわけです。

  • 第1世界: 作品の音楽としての音楽世界
  • 第2世界: 伝達の方便として作品を使っただけで、本質的には作品からは独立している音楽世界

 ここで第1世界が「宇宙戦艦ヤマト音楽」であり、第2世界が「宇宙戦艦抜き」の「ヤマト音楽」に該当します。

 まずヤマトファンであった私が帰属するのは第1世界ですが、変なCDコレクターであった私が帰属するのは第2世界です。

 そして、交響組曲宇宙戦艦ヤマト再生プロジェクトは第1世界の出来事であり、今回のコンサートは第2世界の出来事だと区別できます。両者は全く異質であり、方法論から送り手、受け手、ゴールまで全てが違います。

 ここで画期的であるのは、実は「第2世界」は存在するという宣言そのものが行われたという事実です。そう、そのような世界が存在するという宣言そのものが実は画期的であり、新しい世界を切り開くと言えるのです。少なくとも私はそのような宣言を聞いたことがないような気がします。

 そのような観点から見れば、実はこのコンサートで演じられた坂本龍一、三枝成彰、服部隆之、羽田健太郎、冨田勲といった作曲者の顔ぶれは、第2世界とそのバックグラウンドを構成する者達である、という点で共通しています。そして、このコンサートのバックグラウンドにあるのも、それらの者達の第1世界に対する心情というよりも、第2世界に対する心情であるような印象も感じられます。

 つまり、主たるテーマはヤマトにもアニメにもゲームにもありません。

 第2世界とはそのような世界であり、私はその世界の受け手に位置づけられていたことに、コンサートが終わった後で気づかされました。

以下余談 §

 実は演奏された楽曲の作曲者全員に何らかの形で思い入れがあることが分かりました。知らない曲も多かったのですが、作曲者のラインナップとしては直撃コースでした。

  • 坂本龍一→YMOは好きでは無かったのですが、強く意識させられたのは事実。戦場のメリークリスマスは、生で聴いたらトリッキーで演奏しにくそうな凄い曲で驚きました。こういう曲は大好き
  • 三枝成彰→Zガンダムの音楽はそれこそ何回も聴きました。特にZガンダムのCD2枚目(現在の3枚目相当)は絶品
  • 服部隆之→スレイヤーズのCDはほぼ全て買いました。劇場版ナデシコのサントラも持ってます
  • 羽田健太郎→ヤマト関係のCDはほぼ全て持ってます。マクロス(続編は含まず)のCDボックスも持ってます
  • 冨田勲→最初に買ったアニメ以外のLPは冨田勲のダフニスとクロエだったり

オマケ・「宇宙戦艦抜き」の「ヤマト音楽」とは? §

 以下は思いつきを並べただけなので、けして信じてはいけません。

  • 主題歌の旋律になっても、ささきいさおがステージに出てこない (そもそもメロディーは断片的に見え隠れするので歌えない)
  • ヤマトの映像が演奏中に上映されない
  • パイプオルガンがあるという理由でコンサートホールを選定しない。パイプオルガンがあるからと言って白色彗星を演奏しない
  • サプライズ ゲストとして松本零士先生は出てこない
  • 松本零士先生が大好きなクラシック曲は演奏されない
  • 長話はない
  • 宮川泰の思い出話よりも羽田健太郎の思い出話が主
  • アンコールで、みんなでヤマト主題歌を熱唱しない

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