2009年08月05日
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明治大学和泉キャンパス前史と流浪の下高井戸駅のヒント

Written By: 川俣 晶連絡先

 桜上Confidentialさんの明治大学和泉キャンパス前史を読んで気になったので、手近にあった地図を開いてみました。

 国土地理院 関東地方測量部でコピーをもらってきた「2万分の1 世田谷 明治42測量 大正2年製版 大正6年鉄道補入」です。

2万分の1 世田谷 明治42測量 大正2年製版 大正6年鉄道補入

 ううむ。この地図ではしっかりと「文」ではなく「火」に見えますね。おそらく火薬庫時代の地図だと思うので、意外ではありませんが。

 しかし、何気なく下高井戸駅を見て、「あれ?」と思いました。もしや、日大通りの東側ですぐカーブしている?

下高井戸駅再考察 §

 ここでは、仮に以下の状況が存在すると仮定して考えてみます。

  • この当時の京王線は単線である (現在は複線)
  • 下高井戸駅は日大通りの西側に存在する (現在は東側)
  • 日大通り東側はすぐゆるやかなカーブに入る (現在は直線の後にカーブ)

 このように考える初期京王線は以下のように建設されていることが分かります。

  • 下高井戸駅名物の急曲線ホームは初期においては存在しない。その理由は、この位置にホームが存在しないというだけでなく、そもそも急曲線が存在しないため
  • 下高井戸駅はカーブに入る手前(道路との交差の西側)に設置されており、カーブの影響はほとんど受けない立地になっている

 ここには、ある種の無理のない合理性を見て取れます。

 しかし、何らかの理由で下高井戸駅は日大通りの東側への移動を行います。

 その結果として、以下の状況が発生したと推定できます。

  • カーブにホームを造りたくはないので、直線区間を延長してカーブがより急曲線になった
  • カーブが急になることは、線路が外側に膨らむことを意味する。つまりカーブ内側に余剰の土地が発生した

 これにより、「下高井戸駅名物の急曲線ホーム」の前提となる急曲線と、かつて下高井戸駅に存在した貨物用引き込み線の用地が出現することになります。

 しかし、このような選択肢が現実的に歓迎されるとは思えません。カーブを緩和するための工事ならともかく、急曲線化する工事など通常は考えにくい話です。

 とすれば、駅の移転は相当の強い必然性によって影響されたことが考えられます。

 可能性としては2つ考えられます。

  • 複線化のため
  • 玉電との接続の便利をよくするため

 仮に前者の理由だとすると実は具体的なホームの位置の推定が可能になります。

 もし、以下のような位置に下高井戸駅のホームが存在したとすると、それは複線化によって存続不可能になるからです。

  • 単線時代の線路は現在の上り線にあたる
  • 単線時代の下高井戸駅ホームは日大通り西側の線路南側に存在した

 つまり、複線化すると増線した線路によってホームが潰されてしまいますが、日大通りと急角度で交差するこの場所で、代りの駅を建設する敷地のゆとりは少ないのです。同じ位置にホームは造れないでしょう。

 従って、駅は移動せざるを得ません。

 ただし、このアイデアはなぜ駅が西ではなく東へ移動したのかについての理由を説明できません。

感想 §

 ちなみに、「単線時代の下高井戸駅ホームは下り線の線路になった」という解釈は、現状の下高井戸と上手く噛み合っているように思えます。

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