2010年03月19日
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ボツ原稿の墓場・ヤマトを論じることは誰かを圧迫するのか?

Written By: トーノZERO連絡先

「実はうかつなことに今ごろ気付いたことがある」

「ほう。なんだい?」

「オタクの知り合いは割と多いのだが、彼らの多くは映画を見たという話をしている」

「ふむふむ」

「まあ、かなりの割合で彼らの言ってることの言葉の意味は分からないのだけど、萌えアニメのタイトルらしい」

「分からないの?」

「うん。分からない。文脈から萌えアニメのタイトルらしいということと、映画館で見てきたということだけ、何となく推定できるだけ」

「なるほど。つまりオタク向け映画ってことね」

「それを聞くと萌えアニメはテレビから劇場にシフトしているようにも思える」

「テレビ離れ、劇場へのシフトという話は時々聞こえるね」

「でもさ」

「なに?」

「実はそうやって語られているタイトルの映画が実際に公開されているところを見たことがない」

「ええ!? あんたもあれだけ劇場に通っているのに?」

「そういう映画が実在する証明は、新中野の駅貼りポスターを1回見たぐらいかな」

「府中のシネコンにもう10回ぐらい通ってるのに?」

「府中のシネコンでは、ネットでチケットを買うとき、その日に上映する映画の一覧が出てくるわけだが、そういう映画のタイトルはまず出てこない。映画の前に流れる宣伝で見たこともない」

「えー?」

「ただし、TOHOシネマズグループ全体の新規上映映画などの一覧を見ると名前が出てくることもある」

「それ、どういうこと?」

「シネコンというのは、不人気作でも小さなスクリーンで1日あたりの上映回数を減らせば上映できると思うのだが、おそらくビジネス規模としてその水準にも達しておらず、限定された劇場でしかやっていない、ということだろう」

「それってどういうこと?」

「実績として動員できる人数が少なすぎるということだろう」

「ガラガラでもやってる映画があるじゃないか」

「期待感があって上映してもすべることがあるだろう」

「ということは?」

「おそらく、動員人数の実績も乏しく、劇場側の期待感も薄いのだろう」

「劇場が混んでいたという話もあるようだけど?」

「上映している劇場や上映回数が少なければ、どうしても人が集中してしまうのだろう」

「つまり?」

「もしかしたら、ビジネス規模が恐ろしいほどに縮小傾向にあるのかも知れない」

「そうなったら困るの?」

「いや。困らない」

「どうして?」

「別に、ヤマトネタはケロロ軍曹やドラえもん映画でも見られるし……。それらは府中でもしっかり大々的に上映してるし」

「で、どのあたりが没原稿なの?」

「いや、それに付随する話がいろいろあったのだよ。ヤマト絡みで」

「それで?」

「実はけっこう長い原稿を5本ぐらい書いたかな。でも没にした」

「なぜ?」

「言うだけ野暮というものさ」

「なぜ?」

「ヤマトファンとは今やOBの文化であって、何がどうなってもヤマトファンが居場所を失うことはまずあり得ないだろうと思うだけさ」

「えー? 現役じゃないの?」

「今時、昔を思い出して余興でやってるようなものじゃないかな」

「余興?」

「そうそう。おいらも頭の中身がヤマトだからいくらでもヤマトネタを書けるけどそれは余興。本当のおいらは、アニメでも特撮でもない洋画のシャーロック・ホームズを来週見ようかと考えている、なりたてのビギナー映画ファン」

「で、ボツ原稿の結論は何だったの?」

「守るべきはヤマトではない。地球だ!」

「は?」

「それが世の中を良くするのに役立つなら、ヤマトを犠牲に差し出せるということさ」

「なんだか分かったような分からないような……」

「それでいいのさ」

「どうして?」

「魂の問題や根性の問題は理屈で語ろうとすると逃げていくからさ」

「やっぱり意味不明」

「意味が分からなければ反乱してでもテレザートまで聞きに行けばいいんだよ」

話を続けよう §

「あと、ここまで書いて1つ気付いたことがある」

「ほう? なんだい?」

「実は、秘密結社鷹の爪は府中でもやった」

「劇場の期待感も観客の動員も萌え映画を上回ったのだろうね」

「あと、ヤマト復活編もやってくれた」

「観客の動員はイマイチだったようで、上映回数は少なかったけどね」

「でも、劇場の期待感はあったのだろうと思うよ」

「それは過去の実績だろうね。ありがたやありがたや」

「まあ、霊感商法もとい0巻商法で行列しているワンピースを横目で見て鷹の爪のスクリーンに鷹の爪の0巻もらって入るのも嫌いじゃないけどね」

「それもひねくれているね」

「TOHOシネマズのサービスムービー!」

「それって、どの映画の前にもやってるフィルムではないかと」

「そうじゃ、吉田君。わしらは、どんな映画の前にも登場できるのじゃ!」

「僕らは最強のキャラですね」

「そうだ。わしらは世界1強い」

「町内1強いのはDXファイターですけどね」

「それは余計じゃ」

「じゃさっそく、帰ってきたウルトラマンの映画もジャックしに行きましょう」

「吉田くん、そのネタは難しいぞ」

「ええ。帰ってきたウルトラマンをリアルタイムで見ていた世代は分からないはずです。彼にジャックという名前が付いたのはかなり後らしいので」

「それ以前に、帰ってきたウルトラマンという名前が古すぎるわい!」

「大丈夫、ヤマトファンの世代なら古すぎるということは無いはずです」

「それもずいぶんな言い方じゃな」

「ツインテールと聞いて、髪型ではなくグドンのエサと思った時点で既にロートルだから大丈夫。ただのお仲間ですよ」

「なに。エビみたいな味がするというアレか?」

「総統も相当冗談がお好きで」

「ビークルという言葉なのに、頭にMATが付いた瞬間ビハイクルと読めてしまう世代に怖いものは無いのじゃ!」

「シームレスと聞いた瞬間に戦闘機を連想するようなものですね」

「ちなみに豆知識。DAICONフィルムの帰ってきたウルトラマンでウルトラマンを演じたのはヤマトファンで有名なあの監督さんじゃ!」

「そのあたりの詳しい話は、アオイホノオにそのうち出てきそうな気もしますけど。結局ネタはヤマトに戻ってきますね」

「しかし、ネタが変な方向にずれっぱなしじゃのう」

「仕方がありません。書いている人が帰マン世代の上に、DAICONでそのフィルムを見た上で、更に正規版のDVDまで買った前科があるそうですから」

「なんじゃツインテールの真似をして逆立ちしてスカートの中を覗いた前科ではないのかね」

「やだなあ。せいぜい、教育テレビで10代のライダー達という番組を見つけて仮面ライダーを期待して見てしまった前科ぐらいですよ」

「その前に、ライダーを見ないで裏番組の決断を見ていた前科があったと言っておらんかったかね?」

「やだなあ。長寿番組のライダーと違って決断は放送回数が少ないから決断が終わった後で途中からライダーに移行してますよ。見始めたらもう2号ですけど」

「当時は再放送も多かったからのう」

「テレビでタックルといえば電波人間という世代でもあるから、映画館ではかなり喜んだそうですよ」

「イカでビールもな」

「ところで、どうしてAmazonに注文するときに、ダッダッダッと言いながらクリックしてるんでしょうか、この人」

「そんなことまで知るか」

「でも理由が知りたいです」

「大空に聞け!」

話を戻そう §

「秘密結社ごっこはもういいから」

「そうか?」

「で、オタクの言っていることは分からないと言っている割にイカでビールとか言ってるのはなぜ?」

「子供の頃、ライダーは見ていたからだ。ストロンガーまでね」

「勉強して得た知識ではない?」

「そうだ。アニメ特撮に関する勉強など一切していない」

「つまりどういうこと?」

「ケロロ軍曹を見ていて、ジャンボーグだ、と喜べるのは子供の頃にリアルタイムで本放送を見ていたからで、そのあとは全く見てないよ、ということだ」

「それじゃシルバー仮面は」

「見てません、で終わり。見てないから見ておこうとかいう気も特にない」

「ならヤマトも」

「基本的にリアルタイムだ。熱血小説とか一部は違うのだけどね」

「すると本当に勉強する気はないのだね?」

「ない」

「オタク検定とかも受ける気ない?」

「全くない」

「その理由は?」

「これは子供の頃の思い出であって、勉強した知識ではないからだ。従って、点数を付けるようなものじゃない」

「でも、それって間違われやすいのでは?」

「そうだ。勘違いしてやってくる連中は後を絶たないぞ。そもそもこれは、僕は君より優秀だという話ではない」

「じゃあどういう話?」

「僕は子供の頃に何を見ていたのか、という話だからね」

「それじゃ、勝ち負けに意味はない?」

「過去は変えられない以上、それを論じる意味はない」

「でも、オタク知識は勉強するものだと思っている人は勘違いするかもね」

「80年代に生まれた人が70年代のアニメ特撮をリアルタイムで見られないのは当たり前。ならば、自分が子供時代に見た魂の作品を語ればいいわけだ。別に同じ作品を語る必要はない」

「その割に、あんたも明らかに古すぎる映画も語ってるけど」

「生まれてくるのが遅すぎて悔しい思いをしたのは事実だから」

「遅すぎた? ヤマトはリアルタイムで間に合ったのでしょ?」

「特撮映画の黄金期には間に合わなかったのだ。おかげで、けっこうテレビで特撮映画はいっぱい見ていた時期があるぞ、子供の頃にな」

「それでガメラとか……」

「モノクロのな。火星に打ち上げるやつ」

「そういう話になるとメラメラ燃えるのね」

「というか火を燃やしてガメラを誘導する映画だったかも」

「ははは」

「でも、萌えには燃えない。字が違う」

「じゃあ、今更勉強する気はない?」

「いいや。勉強は必要があればしてるぞ。たとえば、タイタニックとかアバターとか、そういう世間で流行っている映画は勉強だと思って見ておこうか、という気になることもある」

「でも、オタクの知識は勉強しない?」

「そりゃ、劇場の予定表にいつまでも名前が出続けている怪物映画に興味は出るけどさ。名前も出ない映画は基本スルーでしょう。好きなものはともかく、どうでも良ければ基本はスルー」

「それで結論は?」

「別にない」

「強いて言えば?」

「古い特撮とか、手間暇かけて勉強するようなものじゃない」

「でも、生まれる前の映画とか見てるでしょ?」

「面白いと思ったら見てもいいけどな。勉強のために見る暇があったら、もっと役に立つことを勉強した方がいい。以上」

「でも、若い人が何か話題の接点が欲しくて勉強したいと言ったら?」

「そのために古い作品をわざわざ見る必要はないぞ。こっちは基本リアルタイムだからな。何のためにアバターとか見てると思う?」

「どうしてもヤマトファンとの接点が欲しいと言ったら?」

「復活編を見てこい。見て、意味が分からず頭を抱えてこい! その上で、ググっても知ったかぶりで語れない混迷に直面してみるのだな。まあ、まだ上映している劇場があるかは知らんけど」

「確かにまだリアルタイムの話ではあるけれど……」

「分かる映画よりも分からない映画の方がずっと心の栄養になるさ」

 ちなみに次回はでかいヤマトネタをマジで行くぜ。冗談抜きで。いつまでもボケと突っ込みというわけではないぜ。というか、まだヤマトネタの在庫が山ほど残ってるってどういうこと? 大物まで!

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