はたと気づきました。
「私は千年女王の部下だ!」と叫んでP-38で敵に突っ込んで死んでいく劇場版千年女王の夜森。結局、最後の最後に寝返って愛に殉じて死んでいくのはアルフォンと同じ。愛の成就が叶わないことを知っていたことも同じ。でも、愛に殉じて死んでいくわけです。これからがクライマックスという場面を前に死んで退場することも同じ。
ということは、もしかしたら「祖型」の物語が松本先生の中にあり、その表出の1つがヤマトよ永遠に(1980)であり、別の表出が劇場版千年女王(1982)だったのかもしれません。
実は、「若いヒロインが敵の本拠地に行き死んでしまう」というのも同じです。永遠にの二重ヒロイン(サーシャと森雪)は千年女王で解消されていますが、その代わりに歴代千年女王が出てきます。
更に、地球を守るために一般民衆が武器を取って立ち上がるという局面も似ています。岩が浮上するのと岩の中からヤマトが出てくることも、あるいは似ているのかもしれません。
つまり、そのように解釈すると映画版千年女王は上手く行かなかった永遠にのリベンジであり、必然的にテレビの千年女王とは別物ということになります。
調べてみると脚本は藤川桂介先生ですが、テレビ版千年女王では最初の2回しか書いていません。ほとんどストーリーが動く前です。つまり、テレビ版とは違う映画版は、やはりヤマト系の不満の「やり直し」的な側面があるのかも。
そうか! §
そうすると、関東平野が浮上するというスケール感に1つの解釈ができます。というのは、「さらば」の都市帝国は最終的に直径15kmと小さなサイズですが、若桜木虔版ではアメリカ大陸ぐらい(超巨大戦艦は日本列島ぐらい)だったと思います。もしかしたら、ビルが建ち並ぶ岩の塊と決まる以前には、もっと「大陸的な敵」だったのかもしれません。そうすると、関東平野という台地が浮上するのは、その矮小化したスケール感への不満が生み出したという可能性も出てきます。
そしてまた、ヤマト完結編も「浮上する台地系」の敵が出てきます。
その後、おそらく浮上する台地系の場所はあまり出てこなくなります。ゼロテスターでも台地は人工島ぐらいだし。ワンピースの空島まであまりメジャーなものはおそらくありません。というか、ワンピースなのか。やはりヤマトの後継者はワンピースなのか。
オマケ §
「台地、お腹すいたよ」
「さっき食べたばかりだろ、アグモン」
↑それは大地だ。