「目標敵宇宙空母、誤差修正右1度上下角3度」 (2010年8月3日追記・ここは記憶違い。大嘘じゃ!)
「目標ヤマトの軸線に乗りました」
「総員ショックに備えろ、発射!」
という台詞をあらためて考えてみると不自然です。なぜなら、ヤマトの軸線という言葉がヤマトの艦首から艦尾を貫く直線だとするとその線の上に敵はいないのですから。ヤマトは側面を敵に向けて前後の3砲塔で斉射しています。斜め上方です。
ということは? §
いや、これは今なら分かります。
ヤマトが大型戦闘機の隠喩だとすると、ここで撃っているのは主要な機銃です。そして、それはほとんどの場合前方固定機銃を意味します。軸線を敵に合わせると当たる(かもしれない)前方固定機銃です。
まあ、弾道が下がってしまう場合もあるようだし、軸線に乗ったからと言って当たるかどうかは分かりませんが。
ここで、戦艦的な描写と大型戦闘機的な描写が揺れ動いているのかもしれません。
シナリオをチェックすると §
実は「宇宙戦艦ヤマト全記録集 TVシナリオ版」を再チェックして驚きました。
- 「ヤマトの軸線」という台詞は存在するが、波動砲を司令船に撃つときの台詞である。ショックカノンではない
つまり、司令船の出番がカットされた結果として、台詞はショックカノンの発射に統合され、それで筋の通らない台詞になったのだろうと思います。しかし、話はそれだけではないでしょう。この台詞は、ヤマトを大型戦闘機の感覚で扱う松本零士監督がそのまま承認してしまったのではないかと思います。そういう二重の屈折で成立した台詞かもしれません。
オマケ §
「つまりこれは正しいの? 正しくないの?」
「正しくもあり、間違いでもある」
「どっちなんだよ」
「それは決まらないね」
「なぜ?」
「不定という答えもまた答えだからだ」
「そんなものなの?」
「たとえば、ax=0という方程式は、aが0のときxは決まらない。でもそれが答えだ」
「本当に?」
「数学者ではないので本当かは知らん。信じるなよ」