「おいらは、ペイロード/キャビン釣り下げ型に弱い。ああいうのが大好き」
「たとえば?」
「そうだなあ。いちばん分かりやすい例はなんだろう」
「最初に思いついたのでいいよ」
「じゃあ、イーグル宇宙船」
「スペース1999だね」
「あれはフレームにキャビンをつり下げている構造で、キャビンを残して離陸することもできるし、別の機体でキャビンを回収することもできる。キャビン以外をつり下げることもできる」
「なるほど」
「でなければ、テスター4号」
「ゼロテスターだね」
「サンダーバード2号はつり下げ型とはやや言い難い形状だけど、テスター4号は文句なくつり下げ型だ。フレームの下にコンテナを下げていく」
「なるほど」
「なんか、イーグルとテスター4号でほとんど言い尽くしてしまった気もするけどな。どっちも大好きだ」
「それで? なんでそれがヤマトの感想と関係あるの?」
「ハイパーウェポン2009に乗っていたコスモパルサーのバリエーション機体に、そういうタイプのがあったんだよ。救命艇だ。復活編で最後に動物病院のスタッフを連れて行く機体だ」
「えっ?」
「だから、あれはヤレタラねえ。もとい、やられたねえ」
「そうか。好きなタイプだから……」
「うん。だから、バルゼー空母のようにぐるっとまわってにゃんこの目、じゃなくてぐるっとまわって艦載機を発進させるようなギミックよりもこっちが好き」
「さらばの救命艇とかも、それに近い感じじゃないの?」
「まあね。でも、あまり見せ場として上手く使ってくれていない」
「それを言ったらハイパーウェポン2009のもそうじゃないの?」
「違うんだ。静止画のイラスト1枚でも、バリエーション機体という動きが背景にあるから、動的に見えるんだよ」
「そうか、同じフレームにキャビンをぶらさげている作業が目に見えるわけだね」
「完全に同一機体をフレームとして使っているかは分からないけどね」
オマケ §
「テスター4号って」
「うん。プラモも持っていた」
「ゼロテスターも時代的にはヤマト第1シリーズのテレビ放送とかぶってるね」
「企画趣旨としては似ている線を狙っている気がするな」
「というと?」
「あくまでテスター1号が主役メカなのだが、意外と活躍する2号とか、実は脇役のゼロロボットとか」
「ゼロロボット、4本足の不細工なロボットだね。しかもあまり出番がない」
「企画の狙い目として、ロボットが暴れてどうのという話にせず、もっと志は高かったのだろうと思う」
「でも、子供っぽい印象が残ってしまう」
「だからそこだろう。潔く打ち切ったヤマトと、子供へのアピールを念頭にゼロテスター地球を守れになって継続しちゃったゼロテスターの差だ」
「ダメなの?」
「いや、それなりに見所はあったのだけどね。エンディングの男声合唱もかっこよかったし。スーパーファイブ♪」
「合体基地だね」
「コールサインはゼロゼロゼロというのも妙に説得力があったしね」
「電話でもゼロゼロゼロでつながるんだよね」
「これ以上あとがない緊急事態という気がする番号だよ」
「でも、やはりヤマトほど大きな存在感は持てなかったね」