「8月1日編なのに2日に公開してるぞ。変なの」
「7月末は本当に忙しかったのだ。準備する暇もなかった」
「忙しかったの? かなり稼げた?」
「いや、通院とか金にならない用事ばかり」
「ダメじゃん」
「しかし、理由はそれだけじゃない」
「というと?」
「8月まで続くとは思ってなかったのだ」
「そうか。想定外だから準備がなかった訳ね」
想定外のヤマトパワー §
「それで、なぜ想定外の延長になったわけ?」
「やまりヤマトパワーは想定外に強力だったということだろう」
「それほど強力?」
「ああそうだ。実写版の宣伝に鷹の爪団が出てきてイスから落ちそうになったし」
「それほど衝撃的?」
「熱烈なファンとは言えないが、劇場の舞台挨拶で2回ほどたーかーのーつーめーをやってるからな」
「喜んでやってる光景が目に見えるようだ」
「しかも、ジャッキースマイルで、ジャッキーの映画の宣伝もやっていて、良かったという体験をしたばかり。あの映画良かったよ」
「そうか。じゃあ、ヤマトも宣伝してくれて運がいいと思ったわけだね」
「うん。思った。強調するポイントが酒と女と髪型と三丁目の夕日と釣りだしね」
「それだけ?」
「いやいや。やはり番狂わせはBD発売だろう」
「というと?」
「当初の予定では、BD発売で良かったね。シャンシャンシャンで終わると思ったのだ。BD買うのも自己満足だと思った」
「そうか」
「使われなかった地球滅亡エンド見て終わり、と思った」
「でも収録されなかったね」
「だから、思いっきり盛り下がって自己満足で終わると思ったのだよ」
「しかも発売日が延長されたね」
「うん。盛り下がるだけで終わりだろうと思った」
「でも違った?」
「うん。映像特典が熱かった」
「そこで君も燃え上がってしまったのだね」
「燃え上がるのはガ○ダム。君よ走れ。おいらは昼寝だ」
「冷凍睡眠カプセルで酒瓶抱えて?」
「起き抜けの酒は美味いぞ。特別に美味いスープも待ってる」
「それはワープ」
「でも、まあ8月で終わりだろう。既に溜まったメモの消化が進みつつあるから」
「というと?」
「『さらばの地球艦隊は決戦主義ではないが、決戦主義で使われた矛盾』とか、『新たなる旅立ちでデスラー艦がゴルバに突っ込むのはレイプである』とか、割とベーシックなネタを消化して終わることになる」
「まだ堅くて長いネタが残っている訳ね」
「ああそうだ。『湖川友謙論・さらばと、そして復活編』とかね。ああ、シーラさま」
「それってただのダンバイン……」
「そうか。ヤマトよ永遠にもさ。サーシャがシーラさまみたいな湖川美少女だったら違っていたかもしれないよ」
「同じお姫様だしな」
「あるいは、サーシャ対シーラ・ラパーナ、お姫様対談。王族に生まれるって大変なのよ編とか」
「ははは」
卒業問題 §
「それで、ヤマトは卒業できるのかい? ヤマトは卒業すべきなのかい?」
「ヤマトは卒業できる。ヤマトは卒業すべきかという質問の答は微妙だ」
「というと?」
「ヤマトを卒業した気になってもガ○ダムファンになるだけなら卒業する意味は無い」
「それで?」
「立派な大人になってくれるなら、卒業する意味がある。もうアニメなんか見ないような大人だね」
「子供と一緒に見る……じゃないの?」
「無理無理。目の前に映像が流れていても目に入らないって。子供の世話だけで精一杯」
「それで君の目算としてはどうなんだい?」
「さて、未来のことは分からないけどね。問題は卒業できるかではなく、どう卒業するか、いつ卒業するかに変わってきた」
「宇宙犬作戦を喜んで見ているうちは卒業なんて無理という気もするけどね」
「いや、一概にそうとも言えない」
「というと?」
「宇宙犬作戦を見て、特撮の復権はなったと確信した」
「えっ?」
「低予算でもシナリオの工夫で宇宙冒険をやってのける気概が出てきたよ。これは本物だ。ある時期の特撮の低迷への苛立ちが卒業を遅らせていたとすれば、これで卒業できるさ」
「そんなにいいの?」
「モジャット役の片桐仁さんは、三代目明智小五郎の三代目怪人二十面相も演じた名優だと思うぞ」
「かなり気に入ってるじゃないか」
「だから卒業できるんだよ。安心して見ていられるなら、実は逆説的に見ている必要は無いんだ」
まとめ §
「じゃあ、まとめに入ってみようか」
「なんだよ急に」
「君にとってヤマトとは?」
「そういう話はネタを最後まで書いた後に取っておこう」
「残り少ないってことだね」
「はっきりと既に書いた原稿のストックが減っているからね。終わりは来るさ」
「残されたストック原稿が尽きると言われる日まで、あと365日。365日しかないのだ」
「まだ1年も続けるのかい」
「いや、続かないって」
オマケ §
「というわけで、ヤマトへの心残りが見えてきたなあ」
「なんだい?」
「東京上空だよ」
「え?」
「ヤマトが現代の地球にタイムスリップしてさ。自衛隊のF-15とコスモパルサーの空戦だよ。でも性能差がありすぎて適当にあしらうだけ。そして、元に時間に戻るまで究極のカウントダウンが始まる」
「って、ただのファイナルカウントダウン。零戦対トムキャットを置き換えただけ」
「うむ」
「じゃあ、それが心残り? ヤマトには自衛隊と戦って欲しいの?」
「まさか。ははは。全て冗談だ。そんなシンプルなことが心残りの訳がない」
「どういうこと?」
「ダンバインと東京上空とファイナルカウントダウンを引っかけて笑いを取ってみたかっただけ」
「取れへん取れへん」
オマケ2 §
「タイムスリップするなら異聞ミッドウェー海戦とか」
「どうするの?」
「タイプスリップしたヤマトが南雲艦隊の防空任務に。雷撃で低空に誘い込まれても、コスモパルサーの上昇力なら上空の急降下爆撃機の迎撃に間に合っちゃう」
「それ。ヤマトのSF設定の豊田有恒先生がずばり異聞ミッドウェー海戦って小説書いていると知らないと笑えないから却下」
オマケIII §
「じゃあ異聞レイテ沖海戦」
「どうせまた超兵器で逆転する結末は同じなんだろう?」
「いやいや。そうじゃない」
「何が違うの?」
「なぜか戦艦大和がタイムスリップした宇宙戦艦ヤマトと入れ替わってしまうのだ」
「それで?」
「いきなり護衛空母群がいて必死に防戦してくるので、やむを得ずショックカノン発射」
「で、一撃で轟沈?」
「いや、装甲が薄すぎて貫通してしまい、沈まないの。結果として史実は変わらず」
「意味ねえ! ってかどこが異聞なんだよ」
「あの大和の艦尾には噴射口があったという異聞が護衛空母群の乗組員に残るんだ」
「異聞はそっちか」