主人公をM。異性のパートナーが2名いるとして、P1, P2とします。本命はP1です。
この状況で以下の条件を課すとします。
この構造は、M=ルパン、P1=クラリス、P2=不二子としたときカリ城で成立します。
この構造は特異的であり、実はあまり例がありません。本命と結ばれないのは物語の作り方として特異的です。
しかし、M=アリエッティ、P1=ショウ、P2=スピラとしたとき、アリエッティでも成立しています。
他にも §
この2つの映画に、もっと類似点はあります。
- 水が重要な意味を持つ場所
- 上下垂直移動がきわめて多い
- 床が開いて秘密を見せる
- 敵だったはずの相手が味方になる (銭形とネコ)
- 仕掛けを1つ1つ作って使用する描写にこだわる
- 窓の外の水平移動。そして入れない
- P1の部屋に泥棒として入り込むM
- 悪役は形式上、Mより格下
- 上位の者が存在する (大司教、おばあさん)
- P1の父母が不在
- P1がその場に来ることで話が始まる
- P1が10代前半
絵コンテはともかくシナリオはどちらも宮崎駿なので似ているのは当たり前のように思えますが、そうではありません。他の宮崎アニメはこれほど似ていないのです。実に興味深いことです。
というよりも、どこをどう切っても似ていないはずの映画なのに、特徴を抽出して抽象化すると似てくるのです。興味深いところです。