「アリエッティ見たの?」
「うん」
「昨日、SPACE BATTLESHIP ヤマト見たばかりじゃない」
「そうだ。驚異の連戦だ」
「どうしてそうなったの?」
「元旦のSPACE BATTLESHIP ヤマトは毎月1日は1000円という制約で期日を動かせない。2日のアリエッティは母のお供なのだが、母がこの日が良いというので動かせない。従って連戦になった。実は、下高井戸も火曜日と1日はサービス料金になるのだが、元旦が休みである関係で、2日の今日も割り引いてくれた。その意味でもやはり動かせなかったといえる」
「なるほど、結果オーライだね」
感想 §
「下高井戸シネマは座席指定がない。そういう劇場で見るのは、なかなか久しぶりという感じだね」
「最近は、全席指定&入れ替え制だからね」
「粘って3回見るとか、もうそういうのは伝説レベルの話」
「客の入りはどうだった?」
「割と座席が埋まっていたよ。さすが正月だ」
「夏公開のちょっと古い映画にしてはいい感じだね」
「さすがジブリブランドだ」
「映画の内容はどう?」
「既に感想はいろいろ語ったから繰り返すまい。しかし、凄く良かったぞ」
「そうか」
「母も(ジブリで)一番良いかもしれないと言っていた」
「もしそうなら、宮崎駿の立場がないぞ」
「まあな」
新日本神話体系として §
「もう1つ思ったのだが、日本が持つ新しい神話の体系の中に、この映画も位置づけられるかも知れない」
「なんと」
「ヤマトとか水木しげるの妖怪とか、そういったものが新日本神話だとすると、アリエッティも含めて良いかもしれない。あと、トトロと」
「どうして?」
「なぜなら、妖怪もトトロもアリエッティも昔から日本に不思議なものがいたという話を後世の後付けとして付け加えているからだ」
「なるほど。時間軸を遡った過去の改変だね」
「更に言おう。アリエッティはその中でも小人というジャンルを扱う。これはコロボックルあるいは誰も『知らない小さな国』の系譜上にある。そして、『知らない小さな国』とは紛れもなく敗戦を踏まえた話なんだよ。つまり、敗戦で神話を奪われた日本が神話を取り戻す方法論の中に自然に組み込める」
「なんと」
「とすると、新日本神話とは敗戦を踏まえることが必然的な条件というわけか」
「えっ?」
「ヤマトは紛れもなく敗戦から日本を救えなかった戦艦と連動する話であるし、水木しげるは従軍体験が妖怪と連動して出てくるのだ」
「なんと。でも、アリエッティは西洋風のドールハウスとか、日本人離れした小人達の名前とか出てくるけどいいの?」
「いい。なぜなら、神話として再編成された日本の過去に、それらも構成要素として収まるからだ」
「擬洋風建築も、日本の伝統世界に自然に収まるってことだね」
水路の合流点 §
「やかんの船は暗渠を経由して、野川の本流に合流するが、合流点は橋の下にあるように見える」
「うん」
「実は、甲州街道の下で、実際に暗渠の野川への合流点を見ている。これは去年の11月のことで、アリエッティを見たときにはまだ見ていなかった」
「そうか」
「しかし、感じが違うのでここではない。合流直後に高速道路みたいなものが上に見えるので、これが中央高速かもしれないとも思ったがそれでは深大寺になって小金井にならない。東八道路あたりなのだろうか」
「そこははっきりしないわけだね」
「自分で行ったことがない領域なのでね」