2011年01月19日
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宇宙艦爆とは何か・ヤマト劇場版第1作映画パンフの謎

Written By: トーノZERO連絡先

「あるとき、ちょっと調べようと思って劇場版第1作映画パンフを出してみた」

「なんでそんなものがすぐ出てくるんだよ」

「地球をなめるなよ、宇宙戦艦ヤマトをなめるなよ、ヤマト馬鹿をなめるなよ」

「まあ、それはいいから。用件は何?」

「実はこのパンフ、かなりのページで半分が英語だ」

「えっ?」

「しかも最後のページのヤマトニュースの先頭が海外版のカンヌ映画祭上映のニュースだ」

「カンヌか」

「海外セールスを意識して再編集映画版を作ったという話は事実かもしれない」

「そうか」

「しかし、話はまだ前半だ」

「何?」

「本題はこれ」

  • The multi-prpose allweather Space Zero Fighters are epmployed for land.

「え? 何?」

「そう書いてある。Space Zero Fightersであって、Cosmo Zeroではない」

「それは凄いね」

「しかも複数形だ」

「ええっ?」

「宇宙零戦が複数搭載されることが前提になっている」

「それは実際の映画と違うじゃないか」

「そうだ。更に言えば、ヤマトは宇宙艦爆を搭載していることになっている」

「ええっ? それは初耳だよ」

「しかも時間レーダーまであるしな」

「過去が見えるっていうアレ? もっと先じゃなかったの?」

「説明は劇場第1作のパンフにある」

「どういうこと?」

「実は、凄く引っかかった。最初は、驚くほど初期に海外セールスを想定した文書を作成していたのではないかと思った」

「驚くほど初期?」

「まだ設定上宇宙零戦が複数搭載されていて、ブラックタイガーという設定がない頃だよ」

「ひ~」

「しかし、そこではたと気付いた。もしかしたら、大クロニクルに答えがあるのではないか」

「大クロニクルか。それでどうだった?」

「大正解。ほとんど同じ説明文が放送前に存在していた。放送前の番組宣伝用パンフだ。そこに、新旧ヤマト対比という表がある。説明内容は劇場パンフとほぼ同じだ。大クロニクルでは18ページにあたる。宇宙艦爆の記述もある」

「なるほど。その番組宣伝用パンフをそのまま持ってきて英訳を付けたので、実際のフィルムとは違う内容になっているわけだね」

「おそらくそうだ」

「激レア資料を掲載した大クロニクルがあるから分かることなんだね」

「そうだ。とはいえ、完全に同じではない。たとえば『ワープ使用限度は1日2回まで』という文言が劇場パンフには無い。逆に、宇宙零戦にコスモゼロというルビが付くのは劇場パンフだけだ」

「文章に微妙に手が入っているわけだね」

「特に、コスモゼロのルビはフィルムの内容に関わる修正だ。フィルムを前提に修正を入れているはずなのだ。にも関わらず宇宙艦爆だの時間レーダーだの、出てこない設定が削られずに残ったのは謎だ。あるいはブラックタイガーのようなフィルムに出てくる設定が追記されていないのも謎だ」

「確かに謎だね」

オマケ §

「この劇場パンフは超貴重品だ」

「そうだね」

「破れていて、しかもシオシオなのが残念だが、それで価値が無くなるものでもない」

「そうか」

「実際、初期の頃は、ヤマトの印刷物は極めて少なかった。ロマンアルバム、秋田書店のムック、そしてこの劇場パンフの3冊ぐらいしかない時代がかなりあったのだよ」

「厳しい時代だね」

「設定資料をふんだんに載せたのはロマンアルバムだけだが、沖田艦の絵は一切なし、秋田書店のムックは沖田艦の絵はあるもののフィルムの絵。劇場パンフはブリッジ内の絵が1枚あるだけ」

「かなり情報に飢えた時代の話だね」

「でも、この劇場パンフ、塗り分けを間違えて艦首の先頭だけ赤いヤマトが載っていたりする」

「そうか」

「あと、さりげなくスターシャ死亡編の絵とかもね」

オマケ2 §

「ああ、今気付いた。劇場パンフの登場人物紹介。真田は志郎なんだ。でも、放送前の番組宣伝用パンフだと佐助なんだ」

「真田の名前は変更できたのになぜコスモゼロは……」

オマケIII §

「あっ」

「どうしたんだい」

「更に発見した。大クロニクルp105にもっと劇場パンフに近いものが載ってる」

「えっ?」

「劇場版のプレス向け番宣パンフだ。これを元に英訳したのがおそらく劇場パンフの新旧ヤマト対比ページだ」

「そうか」

「コスモゼロのルビが下に付いているのを除けば、上記の相違点のいずれも劇場パンフと同じだ。真田も志郎だ」

「なるほど」

「制作こぼれ話のネタは一部劇場パンフの制作ひとくちメモに反映されている。オプチカル合成などの話題だ」

「そうか」

「結局、この劇場版の番宣パンフ作成時に、既にフィルムがあるのになぜか古い設定と新しい設定が入り交じった新旧対比表ができてしまったことが問題の遠因にありそうだ」

「悩ましいね」

「そうだ。悩ましい話だ」

オマケよ永遠に §

「悩ましいと言えば」

「なに?」

「宇宙艦爆に攻撃機という説明が付いてるんだ。どの版にも」

「ええっ? 攻撃機なら宇宙艦攻だろ?」

「誰も説明に突っ込んでいないのかも知れない」

「どうして?」

「突っ込んでいればそもそも宇宙艦爆という記述は無いはずだからだ」

「そりゃそうだ」

「しかし、松本先生が陸軍系だとすると、あまり意識していなかった可能性もある」

「なぜ?」

「旧日本陸軍に爆撃機はあっても攻撃機は存在しないからだ」

「なるほど」

「攻撃機相当の機種があっても、陸軍ならおそらく爆撃機と呼ばれたのだろう」

「でもドメル艦隊は爆撃機と攻撃機を区別してたよね」

「うん。違いを気にしていたスタッフもいるってことだろう」

おまけ完結編 §

「しかし、大クロニクルは見れば見るほど凄い本だ」

「そうか」

「舌を巻くぞ」

「そんなに?」

「そうだ。ちなみに、あらためて見るミルは見れば見るほど可愛いぞ」

「線が細いさらばのミルだね」

「みるみるミルに惚れ込んじゃう」

「ダジャレ言いたいからミルを話題にしてるだけだろ」

「てへ」

オマケ新たなる旅立ち §

「しかし、久々に思いっきりSPACE BATTLESHIP ヤマト関係無い話でぶっ飛ばしたな」

「なぜこのタイミングでこの話題?」

「前夜に気付いて確認を取ったからだ。宇宙艦爆の記述に気付いたのはもっと前だけどね」

「リアルタイムでは気にならなかったの?」

「ろくにヤマトを知らない奴が書き飛ばしただけと相手にしてなかったと思うよ。ロマンアルバムの各話ストーリーといい、フィルムと食い違う文章は珍しくも無い時代だったから。まさか、初期の設定とは思わなかったよ」

「明日の更新はSPACE BATTLESHIP ヤマトネタをガツンと行くからね」

「ガンツも泣くぐらいいくぜ」

オマケ復活編 §

「改めて秋田書店のムックを開いて見てみた」

「それで?」

「実は憶えていなかったが、新旧ヤマト対比図がこれにも載っていた」

「えっ?」

「でも文章の説明は大幅に削減されていた。フィルムと食い違う話は一切なし」

「よく考えて編集されているということだね」

「ここで話題にした古い本は多いが、この秋田書店のムックが実際のフィルムに最も忠実ということになる」

「でも昔は設定資料が多いロマンアルバムの方が凄いような気がしたんだよね」

「テレビでは見られない資料だからな」

オマケのオマケ §

「実は更に気付いた。大クロニクルp18では防御ミサイル、大クロニクルp105では煙突ミサイル。劇場パンフでは日本語の見出しなし。英語ではSmokestack Missiles」

「わざわざ煙突ミサイルの表記は直されている訳ね」

「そこで宇宙艦爆の表記が直されなかった理由はますます謎だ」

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