「前に木村拓哉ファン・ヤマトファン合同お茶会というアイデアというのを書いたが、意見が2つほど来た」
「なんて?」
「地理的に自分は行けないが趣旨に賛成しますということであった」
「参加希望じゃないのか」
「参加希望はゼロだ」
「じゃあ、このお茶会はどうなるの?」
「今回は不成立として流そう。その方がたぶん良い」
「なぜ良いの?」
「おそらく一昔前なら成立したが、もう時代が違う」
「どう時代が違うの?」
「今のネットは出る杭が打たれる世界だ。みんな、娯楽のためにミスをした者を手ぐすね引いて待っている。みんなでよってたかっていたぶるためだ。そして、ミスをしない人間などいない」
「それって矛盾してるじゃん。ミスをしたら叩かれる社会って自分も叩かれる社会なんだろう?」
「叩かれるのは素顔を出した者だけなんだよ。ネットの匿名の世界に潜んでいる限り叩かれない。より正確に言えば、叩こうとしても叩けない。対象が明確にできないからね。せいぜい匿名掲示板の何番を書いた奴、としか言えない」
「なるほど」
「従って、今の時代、ネットがらみで素顔を晒すことは致命的な行為なんだよ。予想もできない些細なミス1つで、スケープゴートにされかねない」
「いやな時代だね」
「そうさ。正義の名の下にいじめが横行する嫌な時代さ。まあ昔も大差ないと言えばそうだけどね」
「でも、それだけで本当に参加者が萎縮しちゃうの?」
「そうさ。だって、ヤマトファン、木村拓哉ファンというだけで、人によっては十分に叩く口実になるからだ」
「ひでえなあ」
「でもそれが今の日本だ。残念ながらね」
「そうか」
「お茶会は、運が良ければ10年後に、SPACE BATTLESHIP ヤマト10周年で実現するかもしれない。もっと他人を信用できるいい時代になっていればね」
本題 §
「1つ面白いことが分かってきた」
「何?」
「木村拓哉ファンと、宇宙戦艦ヤマトファン。どちらも質の悪いアンチの跳梁に辟易しているのは同じだが、実は一歩進むと違う部分もある」
「というと?」
「ヤマトファンのおいらは、自分がヤマトファンであると表明することに何のためらいもない。ストレートに表明する。実はさる件で連絡しているさるヤマトファンも名前をネット上に表明している。どちらも、誰からも見える」
「どうして?」
「実は、そのように表明したことでアンチから攻撃される可能性はほとんど無いことを知っているからだ。コメント欄があれば炎上する可能性もあるが、MagSite1にそんな機能は無いしな」
「じゃ、木村拓哉ファンは?」
「どうも、うざいアンチのネガキャンに嫌気がさして、ステルス機能を発揮して、見えない状態で活動しているらしい」
「す、ステルス!?」
「そうだ。SPACE BATTLESHIP ヤマトで第3艦橋に取り憑いた敵が発揮したステルスだ」
「F-117のステルスだね」
「うん。しかし、これは木村拓哉ファンに限ったことではなく、マニアックな女性層に典型的に見られるのだ」
「えーっ?」
「しかも昔からだ。けして新しい話ではない」
「どういうこと?」
「たとえばさ。昔、『オタクというのは女を食い物にする悪い男である』としたり顔で言い出す人がいたけどさ。でも、『男を食い物にするヤオイのお姉さま方はコミケで超大規模勢力ですけど?』と言ったら反論出来なくなった」
「ってか、ヤオイが大勢力なのは当たり前じゃないか」
「けどさ。実はステルス能力に優れているから部外者には見えにくいんだ」
「えーっ!?」
「キャプ翼、トルーパー、シュラトといった勢力は昔から有り、コミケなどの現場に行けばそれは一目瞭然だった。何も新しい話ではない。今でもステルス機能を発揮しているジャンルは多いぞ。でも世間からはとても見えにくい。ヤオイという言葉が世間で通用するようになったのは、ごく最近だろう」
「そんなにギャップがあるか」
「あるある。今でもステルス機能はかなり強力だぞ」
「うーむ」
問題のポイント §
「でも、この話はヤマトとどう関係するわけ?」
「関係大ありなんだ」
「ええっ?」
「OUTの2回目のヤマト特集に載ったアニパロコミックは古代の裁判という内容だった」
「うん」
「そのオチは、陪審員が全員古代ファンの女性ファンで古代無罪というものだった」
「それってつまり」
「女性ばかりなのはネタじゃない。当時から既に超巨大勢力だったのだ」
「なるほど」
「しかももっと遡れる」
「ええっ?」
「トリトンは女性ファン中心に支持された作品だが、アニメブームの起爆剤にならなかった。女性ファンはステルスであると考えれば良く分かる。それはあまり目立たないのだ」
「なるほど」
「しかし、男性ファンも巻き込んだヤマトで初めて社会現象になれる」
「男性ファンはステルス機能がないから社会からよく見えるってことだね」
結論 §
「それで結論は?」
「世の中の半分は女性だ。ステルスだからと言って、女性の動向を見誤ると致命的に状況を誤解する可能性があって危険だ。しかし、しばしば女性は見落とされる」
「見落とすとどうなるの?」
「ステルスを見落とすと、第3艦橋が吹っ飛ばされて安藤も犠牲になってしまう。痛ましいことだ」
「いや、それは映画の話だから。女性関係ないから」
「じゃ言い直そう。ステルスを見落とすと、第3艦橋が吹っ飛ばされて安藤も犠牲になってしまい、勢いで古代と雪が男性と女性の間の一線を越えてしまう。これが女性に関係する話題だ」
「それもなんか違う」
「じゃあ、こう言い直そう」
「なんて?」
「永遠に男は女には勝てん」
「女の方が先に見つけて先に撃って先に落としてしまうわけだね」
「ステルスはfirst look, first shot, first killというわけだ」
オマケ §
「というわけで、女々しい古代はステルス機能のあるコスモゼロに乗り、古屋を殴る男らしい森雪はステルス機能のないコスモタイガーに乗る。まさにパターン通り」
「そ、そうかな」
あらためて結論 §
「というわけで、この話はアニメブームがトリトンから始まったと思われるのに、なぜヤマトが始祖とされるか、その理由を説明できるという意味で有意義だ」
「その理由とは?」
「トリトンはステルス機能を持った女性達に支持されたから、社会から見過ごされてしまったわけだ」