「というわけで、3号娘と4号娘の建造は順調に進行中だ」
「うん」
「2号娘はもうちょっと色を入れた。で1号娘と合わせて後でトップコートを吹く予定」
「それで?」
「4号娘はマージョ様であり、ミニグロッキーとミニワルサーが付いていた。当初ミニグロッキーとミニワルサーは作らなくていいかと思ったが方針を変えて塗ることにした」
「そうか。分かったぞ。ミニサイズでも塗る手間は大差ないんだ。それで進行速度が鈍っているんだ」
「うん。それもある。なので特に見せるような写真は無い」
「他に何かあるの?」
「実は重大なことに気付いた」
結局…… §
「フィギュアを作ってスケールモデルの建造に着手して分かった」
「何が?」
「おいら、色塗るのが好きだが、組み立ては別にどうでもいい」
「それがどうした?」
「スケールモデルは部品が多くしかも細かい」
「そうだね」
「ピンセットでつまんでも飛んでしまうことが多い」
「そうそう。飛んじゃうんだよね」
「箱の中で作業するのが基本だが、上方に飛ぶと結局行方不明になる」
「そうだね」
「そして探す」
「うん」
「まあ8割ぐらい見つかるから大抵は乗り切れる」
「めでたしめでたし」
「そうでもない」
「えっ?」
「探してる時間の方が下手をすると長い」
「そ、そうかも」
「すると、あまり楽しくない」
「確かにね」
「一方でガレキのフィギュアは部品が大きく少ないから、とても扱いやすい」
「ああ、そうか。スケールモデルかフィギュアかという切り口で見ると分かりにくいけど、作って楽しいかというとフィギュアの方が上なんだ」
「そうだ。だから以前はスケールモデル中心で模型を作る行為が挫折してしまったのと、フィギュア中心の今回の模型作りが継続していることは、実は相関関係があった」
「ということは、実際はスケールモデルであるか否かは意味が無いってことだね」
「そうだ。部品が少なくて作りやすいことに意味があったんだ」
オマケ §
「この認識は、以前、ピットロードとアオシマを比較して、アオシマのキットの方が部品数が少ないのに作って楽しかったという経験にも符合する」
「なるほどね」
「ピットロードの装備品パーツで個々の部品を置き換えることは意味があったけどね」
「それで工作の手間はさほど増えないしね」
オマケ2 §
「マージョ様とかワルサーグロッキーを塗っていると思わず歌っちゃうね」
「なんて?」
「おれたちゃ天才(うんうん)、あったまいいぞ(うんうん)、ワルサーグロッキー♪」
「好きなものはダイナモンドなんだね」