「地震が来た」
「君は無事かい?」
「五体満足で無事である」
「なら良かった」
「良くはない。被害はでかい」
「そんなに?」
「仕事場ではモニタの設置位置まで動いた」
「どんなモニタ?」
「21インチのCRTモニタで人が1人で持ち上げるのはかなり厳しい重量がある。それが半分宙に浮いて躍っていたのだ。どれだけ凄い揺れだったかそれで分かるだろう」
「ひぇ~」
「積んであったものもけっこう落下したが、まだ被害は小さい方だ」
「それで小さいのか?」
「ビルの1階の揺れはまだ小さい方なのだ」
「そうか」
「一般民家2階の自分の部屋はかなり悲惨だったぞ。落下した物体で床が埋まっている状態だ」
「ひぇ~」
「最低限の整理だけで凄く時間が掛かった」
「建造中のフィギュアに被害は?」
- 1号娘=落下して頭が外れる
- 2号娘=場所が良かったのか、無事らしい (追記。後で片腕と尻尾をロストと確認。被害甚大)
- 3号娘=箱ごと落下 砲塔が1つ外れ掛かっているのだけは確認した。他の損害は不詳
- 4号娘=半壊。付けてあった腕なども取れていた
- 5号娘=今のところ行方不明、箱ごとどこかに紛れているっぽい
感想 §
「君の感想は?」
「2つある。まず、寝ている時に来たら死んでいたかもしれない」
「そんなに?」
「大地震を想定していなかったわけではないが、予想以上だ」
「もう1つは?」
「長い。ともかく長い。揺れ始めの段階でけっこうなめて、この程度なら大丈夫と思ってしまったがそこから更にどんどん大きくなった。しかも、余震も長い。かなり時間が経ってからも揺れていたりする。収まってもまた揺れる」
「そうか」
「地震は瞬発的なもので、一瞬の間の揺れの大きさに差があるだけだと思ったが大違いだ。本物の大地震は揺れている時間も長いと分かったよ」
「そりゃ次回は上手くやれそうだね」
「勘弁してくれ。もう2度と来ない方がいいよ」