2011年03月13日
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地震で見えてきたこと・良かったこと・悪かったこと・意外だったこと

Written By: 川俣 晶連絡先

「かなり大きな地震に遭遇していろいろ分かった」

「考えるよりも体験ってことだね」

「良かったこと・悪かったこと・意外だったことの3つに分けてみる」

良かったこと §

「良かったのは、ネットしか使えない人のために帯域を開けましょう、という声がけっこうあったこと」

「どうして?」

「ブロードバンド黎明期、帯域は埋める必要があるという間違った常識がまかり通っていた」

「100Mの回線を契約したら100Mの回線を埋める用途が欲しいってことだね」

「でも、これは大きな勘違い」

「どうして?」

「回線というのはとても高く付くものなんだ。本来ならね。それをこれほど安く使えるのは、たいていの人間がたいていの時間は帯域を余らせているからなんだ」

「帯域を共有しているから安くなるってことだね」

「それなのにみんなが帯域を埋めたらどうなる」

「ははは」

「結果として、帯域を埋めるためにP2Pファイル交換ソフトなんていう変なものが流行ってしまうが、もちろんそんなに都合良く帯域を埋めるファイルが無いから映画の不正コピーが流通する。馬鹿馬鹿しいの一言につきる」

「勘違いからスタートして、いいことが何も無いってことだね」

「その点、帯域を埋めろではなく、開けろというかけ声が多かったのはいいね」

悪かったこと §

「東西で受け止め方の深刻さがかなり違っているという印象がある」

「どうして?」

「関東以北では今回の地震はリアルなピンチだが、西日本では危機感がない対岸の火事なんだ」

「なるほど」

「東京でも帰宅難民は多いし、計画停電の危機もある。けして高見の見物はできない」

「それが西の人にも実感として通じにくいわけだね」

「そうだ。通勤難民になって家まで歩いて帰ってへとへとになった人に、『可愛そうな東北の人に支援の手を』なんて言っても殴られるだけだ」

「ははは」

「もう1つは、たとえ東の人でも正義の味方気取りがけっこう多いことだ」

「正義の味方気取り?」

「他人のために声を張り上げて一生懸命何か大きなことをしようとしている風に見える」

「困っているときはお互い様ではないの?」

「通勤難民にトイレを提供する会社とか、そういうのはリアルな支援だが、パソコンの前に座ってネットに景気のいいことを書いているだけの人は見かけ倒しだよ」

「そうか」

「問題はそもそも、このあとだ。東北の惨状は特に酷いが、東京だってこれからじわじわ来るぞ。電気は足りないし、物流もガタガタだから、この先、普通の生活を維持するだけでもかなりの苦労が求められる。しかも、いつまで続くか分からない」

「そのリアルな危機感が共有されているとは言いがたいね」

「でも気付いている人はどんどん保存できる食品とか大量に買い込んでスーパーもその手の商品がもう無いケースもあるみたいだぞ」

「また補充されるだろ?」

「たぶんな。しかし、タイムリーにスムーズに補充されるかは分からない」

意外だったこと §

「意外だったのは、地震が東北に来たことだな」

「どうして?」

「子供の頃から、第2次関東大震災が来ると煽られてきたが、実際にはなかなか来なかった。当時の大人の言葉を信じるなら、とっくに来ているはずなのだ」

「ははは」

「そして、意外にも電力がピンチだ」

「そうなの?」

「都市部には、多方面に重複した送電径路があるから、かなり災害に強いと思っていたが、大元を絶たれるとアウトであった」

「そうか」

「それから、50/60Hzの呪縛が強かった。西日本からの応援はほとんど絶望的に少なそうだ。周波数変換できる施設のキャパが小さすぎる」

「そうか」

「これほど周波数の違いをリアルに意識したことはない」

まとめ §

「東北は悲惨であるが、支援も来るから何とかなるだろう」

「うん」

「問題は東京だな。表面的にはほとんど何も壊れていないから支援は来ない。しかし、電気は止まりそうだし、物資も滞るかも知れないし、物価も上がりそうだ。余震だって心配だ。電車は動き始めたが本数は少ない。この状況を切り抜けねばならないが、いつまで続くかはっきりしない」

「ってことは、東京も大変じゃん」

「家が残ってるだけマシという程度で、やはり長い長い苦闘が待っていて、不自由な生活を行わねばならない。しかも、誰も支援してくれないし、理解さえされないかもしれない。東北の惨状には支援も行くだろうし、理解するための報道も行くだろうが、東京には来そうもない。でも危機はそこにある」

「なるほど。大変だな」

「大変でもやらにゃならん。相手は人間じゃなくて自然現象だからな。地震に文句を言っても返事はない」

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