「SPACE BATTLESHIP ヤマトのコスモゼロのゼロは零戦のゼロではなく、零式水上観測機のゼロではないかと以前に書いたが」
「うん」
「実はこの解釈、SPACE BATTLESHIP ヤマトが最初ではないかもしれない」
「というと?」
「コスモゼロを完結編で以下の条件を全て満たす使い方をするからだ」
- 主砲(波動カートリッジ弾)を当てるために飛び立つ
- 複座である
「ええっ?」
「戦闘機としては飛んでいない。目的は敵の母艦の位置を探る偵察なのだが、実は発見することが目的というよりも、正確な位置を特定して当てるために飛んでいる」
「そうか。分かったぞ。SPACE BATTLESHIP ヤマトの『当てるための作業が撃つ前に前倒しになる』という特徴まで同じということか」
「これはヤマト2で真田とアナライザーがコスモタイガーで敵艦隊を探して飛んだ故事と同じように見えるがそうじゃない。ヤマト2の場合、ミッドウェイ海戦の故事がベースになっているので、コスモタイガーは九七艦攻ないし、零式三座水上偵察機に相当するポジションであると考えられる。だから機体は三座機だ」
「なるほど。完結編では森雪が強引に後席に乗ったから、おかげで2座仕様でコスモゼロが出撃できたわけだね」
「そうだ。森雪さまさまだ」
オマケ §
「どうでもいい余談だが」
「うん」
「映画スターというのは映画のテーマ性を全て背負った顔で演技できる人間を言う、というような話は前にしたと思う」
「木村拓哉さんがSPACE BATTLESHIP ヤマトでそうだった、ということだね」
「実は、ぜんぜん関係無い『わさお』という映画を見て、薬師丸ひろ子も同じだと感じた」
「え、そうなの?」
「だからさ。映画スターの資質というのは若さや美しさよりも、映画の全てを背負ってそれを顔で表現できるかに掛かっているわけだ」
「それって」
「不細工な顔でも、その方が背負いやすい映画もあるだろう」
「ダサ可愛いぎりぎりの犬が『わさお』ってことだね」
「そう思うと若いことにも美形であることにも実はそれほどの意味は無い」
「そうか」
「ならば映画スターとはどのような存在であるべきか」
「そうか。木村拓哉さんはそういう観点から見ないと見えてこないわけだね」
「うん。だからさ。コスモゼロで出撃する前に古代が敬礼すると格納庫にいた全員がざっと敬礼するけど、イケメンだから敬礼するわけではない」
「男からすればイケメンの男なんてどうでもいいわけだしね」
「結局、ヤマトの思想性を全て背負った大演説ができて、みんなの心をまとめられたから敬礼を受けるのだ」
「行き先を指し示すことができる男こそが映画スターってことだね」
「薬師丸ひろ子もな」
「女もか」
オマケ2 §
「従って、そこまでやって初めて凶悪暴力女を惚れさせるパワーがあるわけだ」
「誰が誰に惚れたって?」
「これこそ最高に燃える状況だよ」
「誤魔化したな」
「まあ、ちょっと顔がいいぐらいで男性不信の殴り癖のついた女の心が動くわけはない」
「ははは。辛辣だな」
「アニメの場合、森雪が古代を選んだ明確な理由はあまり見えてこない」
「そうだね。ヤレタラから助けてもらったけど、海峡で待っているときは島と古代を天秤に掛けている感じはあるし、ビーメラ星でも助けに入るのが少し手遅れ気味だし」
「ビーメラ星の時点で心は既に決まっていたのかもしれない」
「それを言うならアルファ星の時点で既に古代を意識していたのかも知れないぞ」
「いつからなのだろうね」
「いちばん目立つ派手な赤い矢印で言動も目立ったから気になったのかな」
「子供っぽすぎて母性本能をくすぐられたとか」
「そういう意味では、古代と雪のカップルもアニメではイマイチなぜカップルかは分からないな」
「基本的に、ヤマトでいちばんいい男を紅一点が占有したと思えば簡単だけどね」
「いい男?」
「ルックスが良くて若くて地位もあって将来有望」
「相手が若くないとダメ、という母親の教えを忠実に守っているわけだね」
「徳川はダメ出しされた」
「下半身出力低下、なるも子作りに……支障なし。がくっ」
「その無念が存在しなかったはずの長男太助を生み出して、ヤマトに乗り込ませるがもう相手もして貰えない」
「んなわけあるかい」
「やっぱり行為に及ぶ前に1人で濡れちゃね」
「それはランチをひっくり返してずぶぬれなだけ」
「復活編で渋いオヤジになって、これならどんな女もイチコロさと思ったら森雪乗ってくれないし」
「森雪は可能なら必ずヤマトに乗るキャラ。宇宙遊泳でもなんでもして帰る覚悟があるのに、ヤマト出発前に退場しちゃねえ」