「びっくりしたな」
「何が?」
「自転車に乗ると世界が変わった」
「えっ?」
「家にはママチャリがあったが、母が使うので特に乗らなかった。自分はひたすら歩いた」
「健康にいいじゃないか」
「でも、今は母が家を空けているので、ママチャリに乗ってみることにした」
「そうか」
「ブレーキが片方いかれていたので、自転車屋に持って行ったら30分のメンテでブレーキが直っただけでなく、凄く走りが軽くなった」
「それでどうしたの?」
「軽く走ってみたが驚きだ」
「何が違うの?」
「方南町まで20分ぐらい。高井戸のダイソーも同じぐらい。浅間橋にも簡単に行けた」
「なるほど。限界に楽々達してしまったわけだね」
「気付いたことは以下の通りだ」
- 疲労が軽減されるわけではない。疲労は距離に比例する
- 登りの坂道はとても苦しい
- 自転車の置き場所に不自由する場合もある
- 歩きやすい場所と走りやすい場所は違う
- 自動車通行禁止の柵を抜けるのはけっこう面倒
何ができる? §
「具体的な成果はあるのかい?」
「あるある」
「たとえば?」
「かつて環七が実質的な進出限界だった。でもその先を探索できた」
「それから?」
「井の頭通りの向こう側も走れたよ。ダイソーに用事があったときは、ダイソーの裏側の道を走ってきた」
「それが自転車の成果ってことだね」
「そうだな」
「次の目当てはなんだい?」
「神田川沿いに、できれば方南町の先、杉並区と中野区の境界まで行ってみたいな」
「行けばいいじゃん」
「問題は、時間的なゆとりが少ないって事だな」