「というわけで」
「はいな」
- 手描き2Dアニメのヤマトが第1の道。キャラは手描きだがヤマトは3DCG
- SPACE BATTLESHIP ヤマトのVFXヤマトが第2の道。キャラは生身の俳優だがヤマトは3DCG
- そして、第3の道はキャラもヤマトも3DCG
「という分類を前回示したわけだ」
「そうだね」
「その分類を書いた文書を公開した後、映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』を見た」
「それで?」
「その前に上映した予告を見て吹っ飛んだ」
「なぜ?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトの山崎貴監督の新作はヤマトではないが第3の道であったのだ。friends もののけ島のナキという」
「えっ?」
「つまり俳優では無く3DCGキャラの映画」
「そうか」
「しかも、SPACE BATTLESHIP ヤマトでの心残りとして指摘していた3D対応の欠如を補うかのような3D映画」
「えっ?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトは企画の時期がかなり早いため、アバターショックの前に大筋が決まってしまっていたと思われる。だから、3D映画にはならないが、おそらく山崎貴監督も3D映画に挑戦したいのだろう」
「なるほど」
「日本初の3D長編アニメーションは豆腐小僧に持って行かれたようだが、狙い目は大差ないようだ」
「つまりどういうことだい?」
「いい加減に書き飛ばした第3の道だが、意外と外堀は埋まりつつあるのかも知れない」
「3DCGの古代くんが見られる日も本当にあり得るかも知れない、ということだね」
「ここまで来ると、アニメと3DCGの距離感があるというだけでなく、生身の俳優と3DCGキャラの間にも微妙な距離感が出てくるかもしれない」
「そこは凄く微妙だね」
「ちなみに主役は香取慎吾と山寺宏一。FROGMANの名前まである。とんでもない配役だ。何が出てくるのか分からない」
「そうだね」
「SMAPで歌うときは木村拓哉さんと一緒に出てくる香取慎吾は声優じゃないが、山寺宏一は声優だ。しかも富山敬なきあとの古代進役だ」
「ちょっとまて。古代君の仲間と、古代君の中の人か? どこまでヤマト周辺をうろついてるのだ」
「まさに、3DCGキャラの古代くんに隣接する世界だ」
オマケ §
「他に面白い予告はあったかい?」
「ジブリのコクリコ坂の予告も見たけど、海(船)に向かって信号旗を掲げる少女の話らしいぞ」
「信号旗って」
「特定の役割を持った旗をいくつかまとめて掲揚して連絡する手段だ」
「Z旗とかもそうだよね」
「そうだ」
「しかし、信号旗とは」
「信号灯の点滅で船に連絡を送るのは既にポニョでやってるからな」
「マニアックさが進化しているね」
「もしかしたら、ヤマトファンにも『海(船)に向かって信号旗を掲げる少女』というモチーフに興味を持つ人がいるかもしれない」
「それだけ、真面目に海とか船を取り上げたアニメは少ないってことだね」
「それからポケモンの映画も予告が新しくなっていた」
「ポケモンはどうなの?」
「2映画同時公開という野心的なチャレンジをやるようだが、単純に2本の映画を作るだけなのか、そこに仕掛けが入ってくるのかはワカラン。まあ、おそらく何かの仕掛けは入るのだろうな」
「両方見ると分かるってことだね」
「おそらく、この不況期には、特に娯楽産業不況が発生し、製作能力に余剰が出て映画2本を同時につくる余力が業界全体に出てきているのだろう」
オマケ2 §
「ヤマトも2作品同時公開とかやらないかな」
「たとえば?」
「宇宙戦艦ヤマト・ホワイト。テレサが超巨大戦艦に突っ込んでくれて、ヤマトは生存する真っ白な話だ。宇宙戦艦ヤマト・ブラック。古代くんがヤマトで超巨大戦艦に突っ込んで生きては帰れない真っ黒な話だ」
「おいおい」
「これでもう大丈夫。死ぬのは間違っているという客も、死んじゃうラストに感動する客もオッケーさ」
「何か違う」
「じゃあ。宇宙戦艦ヤマト・ホワイト。テレサが綺麗な服をもらえる真っ白な話だ。宇宙戦艦ヤマト・ブラック。テレサが服ももらえず全裸で出てくる真っ黒な話だ」
「おいおい」
「宇宙戦艦ヤマト・ホワイト。敵は白色彗星。宇宙戦艦ヤマト・ブラック。敵は黒色星団」
「もういい」
「じゃ、宇宙戦艦ヤマト・ブラック&ホワイト」
「えっ?」
「黒色銀河を超えると白色銀河が待っている。二重銀河だ。ブラック&ホワイト・ギャラクシーだ」
「なんというワープ・ディメンジョン」
オマケIII §
「Z旗ってのは、もう後が無いってことだ」
「皇国の荒廃この一戦にありってことだね」
「後が無いって事はシティーハンターのXYZと意味的に同じだったわけだ」
「なんと」
「実際にはそういう説もある程度なんだけどね」
「ネタにしたいからあえて言ってみただけか」
「おあとがよろしいようで」
「じゃ、中島さんとこのZ機で帰るか」
ALWAYSオマケの夕日 §
「山崎貴監督自身の本命は、おそらく2012年公開予定の"ALWAYS 三丁目の夕日'64"の方であろう」
「そっちも3D?」
「3D公開ありになる模様だ」
「なぜ64なんだろうか」
「1964年を題材にすることには妥当性がある。いろいろな意味での節目の年だからだ」
「というと?」
「東京オリンピックもあったし、それを契機に都市の景観は激変した。東京モノレールができるし、新幹線も開通するし、首都高速網も伸びて、開渠の下水は蓋をされて暗渠化された。ピカピカの新しい綺麗なものが並ぶが、一皮剥けば昔ながらの古びた東京も残る」
「激変だね」
「しかも、64年といえば、監督が生まれた歳だ。おいらも生まれてるけどね」
「あれ、ってことは生まれているのに見た記憶が無い年代ってことか」
「そうだ。考証とVFXで再現していく必要がある年代なのだ」
「更に続編としてその先は想定可能なんだろうか」
「64の次はきっと10年後の74だろうね」
「どうしてそんなに気軽に74と言い切れるの?」
「74年になるとヤマトが出てくるからさ」
「なんか違う」