「これも、けっこう前に書いた話だね」
「突然気付いたのはかなり前だって事だね」
本文 §
「突然気付いた」
「ワンサくんの後番組はゼロテスターなんだ」
「えっ?」
「なんとなく仮説が立てられそうだ」
「どういうこと?」
「ワンサくんからヤマトへの変化は著しい」
「犬ファンタジーから宇宙SFチックってことだね」
「しかも、チーム西崎は何らSF的作品に強いわけでも何ともなかった」
「うん」
「宇宙ものをやるモチベーションが何も見いだせない」
「そうかもね」
「で、ゼロテスターはチーム西崎ではなく創映社(現:サンライズ)制作である。デザインの中核にいるのはCASつまり後のぬえである」
「それってワンサくんの後番組の争奪戦にチーム西崎が負けたってこと?」
「もしも、SF的な作品を要求されてチーム西崎は満たせなかったと思うと説明がつく」
「ヤマトはそのリベンジってことだね」
「そうだ。だから、SF的な作品をやるために豊田有恒というSF作家を入れ、企画を練った」
「豊田有恒といえば、SF作家のSFの本職だし、アニメシナリオ書いていた経験もあるから強力な助っ人だね」
「それだけじゃない」
「というと?」
「ワンサくんの後番組を担ったぬえを取り込み、SF漫画の新鋭である松本零士まで取り込んで、最強布陣を敷いた」
「それがヤマト勝利の方程式ってわけだね」
「ぬえそのものは八方美人的にゼロテスター殿に仕え、ヤマト殿に仕え、そのあとでハーロック殿にも仕えていると言う意味で、やはり助っ人外人と見なすべきかもしれない」
「そうか」
「この文脈で見ると、豊田有恒も助っ人外人ということになる」
なので §
「松本零士を助っ人外人と見なすアイデアは既に思いついていたが、こうして考えてみると助っ人が多いのかもしれない」
「そうか」
「だから、チーム西崎は、ゲルダムの力を入れてゲルチーム西崎として蘇ってヤマトを作ったのかも知れない」
「分かりにくい表現だな」
「でも、ゲルチーム西崎は混成チームであり、全員が生え抜きのチーム西崎というわけではない。そこで、いつの間にか温度差が生じていたことも考えられる」
皮肉 §
「ワンサくんの後番組をゼロテスターに奪われたことがヤマトという企画の遠因にあるとすれば」
「あるとすれば?」
「侍ジャイアンツの後番組をヤマトが奪った経緯を考えると皮肉なことだ」
「更に、西崎さんの古巣がハイジ作って脅威になるとはね」
「世界は思い通りにならない皮肉でできているのかもしれない」
オマケ5 §
「ゼロテスターのスーパー5は戦隊っぽくないと思ったけど、『大要塞スーパー5』って書くとまるで『大戦隊ゴーグルV』みたいだ」
「ヤマト関係無い」
「いやいや。ワンサくんが成功していたらゼロテスターもチーム西崎がやっていた可能性がある」
「まさか。ヤマトがスーパー5になるのか?」
「人工島の代わりにヤマトが入って、周囲に4つの基地が連結されるのだ」
「それでどうするの?」
「基地をびゅんびゅん振り回して回転させて防御に使うのだ」
「アステロイドシップかっ」
「巨弾ミサイル基地を巨弾ミサイルとしてヤマトの頭上から見舞うのだ!」
「なんか違う」
「あるいは人工島はブルーノアって名前でテスター3号はシイラって名前になるのだ」
「それもなんか違う」
「シイラ号、新型だ。あとで乗せてやるからよ!」
「それ、シエラ号」
「000のコールサインも深宇宙には届きません (通信班長だけがこっそり聞いているぞ)」
「マッハで飛び出しても、ワープができない音速の世界では足りないしね」