「SnapScan S1500による現状だが、PDF化したファイル総数は現時点で644であった(本日分は含まず)」
「そんなに? 1日何ファイルぐらい処理できるの?」
「夜にチマチマやって1日10ファイルぐらいだな。ただし、644には1枚もののチラシや、100枚程度ごとに雑多な紙を取り込んだものも含まれる。全部本というわけではない」
「1日10ファイルとすると64日間毎日取り込んだ計算だ」
「うん」
「凄い労力だね」
「でもさ。実際に部屋がガランとしたという印象がまるで無い。少し隙間ができた程度だ」
「えっ?」
「どれだけ本をため込んでるんだ、オレ」
「それって、買った本は手放さないということ?」
「そんなことはない。ここ数年コミックの大半は読んだ後で手放してる」
「じゃあ、スキャンするより多くの本を買い込んでるとか?」
「それもあり得ない。買っている本はスキャンした本の10分の1にも満たないし、手元に残した本はもっと少ない」
「じゃあ、いったい何なんだよ」
「だからたぶん、自分のところにある本の数は(仕事場と自宅あわせて)結局万ぐらいなんだよ。万を超えるか超えないかは不明だけどさ」
「それじゃ644ってのは……」
「1万だと仮定すると、10分の1にも満たない。せいぜい隙間ができたぐらいの感覚だ」
「ひぇ~。恐ろしい!」
蔵書数問題 §
「でも、本物のコレクターはこんなものじゃないだろう」
「えっ?」
「だからさ。万はけして多くないってことだ」
「それ以上って、どんだけあるんだよ」
「図書館の場合と個人の場合で一例を出してみよう」
「うわっ。3年間で1万7千冊」
「だからさ。父の代の蔵書と合わせて1万なんて劇甘なんだよ」
「えー」
「もちろん、父もけして本をたくさん買う方じゃなかったよ」
今の悩みは §
「結局、このままスキャンを続けても、取り込んでしまいたい本を全て取り込めるのはかなり先になりそうだってことだ」
「たぶんそうだね。これまで取り込んできた時間の10倍でも足りないだろうね」
「ならばこのまま続けて他のことができない状況が正しいのだろうか。悩むぞ」
「わはは。いっそ捨てちゃえばいいじゃないか」
「学校関係の資料とか、欲しくなった時に買い直せないからね。授業で配られた手書きプリントとか」
「それは厳しいね」