「何を間違ったものか、販促EXPOの招待券が送られてきたので、何でも見るのは勉強と思ってビッグサイトまで行ってきたよ」
「へー。そんなイベントあるのか」
「ただし、併設の文具紙製品EXPOとオフィス家具EXPOとの境界が存在しないので、それも含めてざっと見てきたよ」
感想 §
「クラウドEXPOとか、他のIT系イベントは行ったことあるわけだろ? 似たようなもの?」
「そう思うだろ?」
「えっ? 違うの?」
「雰囲気はまるで違う」
「どう違うの?」
「ずっと明るく華やかで色とりどりでオシャレ」
「抽象的だね」
「もっと具体的に言おうか?」
「分かりやすい特徴があるのかい?」
「露出の多いコンパニオンのお姉さんが極めて少ない」
「えっ?」
「IT系イベントだと、そういうお姉さんがいっぱいいる。でも、今日はほとんど居なかった。ゼロでは無いが、かなりレアな存在だ」
「なぜそんなに差があるのだろう?」
「つまりさ。IT系イベントは男が財布の紐を握っているイベントであるのに対して、販促EXPOはおそらく女が財布の紐を握っているイベントなのだろうと思うよ」
「ええっ?」
「だから、イベントもオシャレで可愛くあろうとするわけだ。そこにいる人数は男が多くとも、首根っこを握っているのは女なんだろう。展示する方も客の方もだ」
更に感想 §
「個別のブースはどうだい?」
「AC電源を使っていません、というLED照明のブースは凄く明るかった。実際に見ちゃうと目から鱗が落ちまくりだね」
「ネットの情報で知ったかぶりする連中には分からない世界ってことだね」
「あとさ。360度撮影するサービスとか展示しているブースがあったな。ファッション系で使うのかな。足を止めなかったから良く分からないけど」
「そうか。人間を360度撮るわけだね」
「あと、実は意外なことにリラックマのぬいぐるみとかグッズを展示しているところもあったよ」
「なるほど。キャンギャルよりもリラックマという世界なのだね」
「あと、稼働するロボットなどのブロック玩具も展示されていたが、そこはあまり人が見ていなかった。もっときらびやかな別の何かには人が集まっていた。つまり、そういう世界なのだろう」
「オタク系の対極ってことだね」
まとめ §
「それで結論としてはどうなんだい?」
「良く分からない」
「分からない? どうして?」
「展示されているものがとても多様で、全体像がイメージできるほどには深く突っ込まなかったからだ」
「いちいち突っ込んだから回れない広さってこと?」
「それもあるが、普段接している世界とかなり違う世界だという気がした」
「では、不満だってこと?」
「いやいや。見ているだけで楽しかったぞ。理解に遠かったけど、目には楽しかったの」