「ここはヨクワカラン」
「何が?」
「さらばの特攻は悪評なのに、SPACE BATTLESHIP ヤマトの特攻は特に悪評になってない」
「どうして?」
「さあ。良く分からない」
「何が違うんだろう?」
「さらばの特攻の問題は以下の通りだ」
- 沖田は命が武器だというのに、命捨てちゃダメだろ
- 森雪が死んだから自分も死ぬのは安易だろ
- 別に地球人が即座に死ぬ懸念は無かった (奴隷として残酷に扱われて死ぬ可能性はあったにせよ)
「そうだね」
「でもさ、SPACE BATTLESHIP ヤマトになると実は逆転する」
「えっ?」
- 沖田は死神と一勝負するだけで何も言わない
- 森雪を生かすために死ぬ
- 地球人が即座に死ぬ懸念があった
「それってどういうこと?」
「つまり、『特攻』は悪じゃ無かった、ということだ」
「えっ?」
「別に、主人公が突っ込んで死んで終わる映画はいくらでもある。それらの全てが排斥されているわけでもない」
「つまり、『特攻』が批判されているのでは無く、『特攻の描き方』が批判されているということ?」
「そうだ。だから、そこが『さらば』の詰め切れていない甘い部分だと思う。箝口令を敷いて秘密主義で作ったツケだ」
「おかげで客は驚いたけどね」
「都市帝国戦が秘密の展開だと思って見に行くと、更に超巨大戦艦が出てきて驚くね」
オマケ §
「更に悪いことは、尻馬に乗って、ウヨクを攻撃したいサヨクが喜んで『特攻は悪だ』という」
「どうして?」
「ウヨクが特攻を賛美するからさ」
「特攻って悪いことなの? 良いことなの?」
「まあ、最後の手段だな」
「じゃあ、良いことなの?」
「最後の手段としてはありだ。命を捨てても負けたく無い時もある。特に誰かを守る場合はね。でも、それは『最後の手段』であって、他に手段があるときに使って良いものではない」
「えっ?」
「だからさ。ホイホイと計画的に特攻をやらせるなんていうのは悪いことだ。他に何も手段がないところまで、まだ追い込まれていないのだから」
「そんなに悪いの?」
「そうだ。人間を育成するには金も時間も掛かるのに、使い捨てにしてどうする」
「金と時間が潤沢にあったら使い捨てにしてもいいってこと?」
「理屈の上ではその通りだが、実際は成立しない」
「どうして?」
「敵は待ってくれないからさ」
「島の将棋と同じか」
「そうだ。待ったを掛けても喧嘩になるだけだ」
「そうか」
「それに供給は有限だからな。下手に人命を使うと人口構成もいびつになって、将来に禍根を残す」
「いいことないじゃん」
「人道上の見地を入れなくても否定的な要素ばかりさ。まして人道的な見地を入れれば、特攻なんてアホらしくてやってられん。まさに最後の手段だ」
「じゃあどうすればいいの?」
「ワープだ。小ワープで敵に接舷すればいい。ヤマトの全兵装が使用不能でもね。ゼロ距離で斬り込んでしまえばイーブンだ」
「まさか」
「さらばの場合でも、それができた可能性が残る」
「古代の他は島相原以下総員18名でも?」
「彗星帝国だって、生き残りは多くあるまい。事実砲塔が山ほどあっても動かせていない」
「じゃあ、SPACE BATTLESHIP ヤマトの場合は?」
「時間的に制圧するゆとりが無い。それにミサイルということは、一歩間違えば爆発して乗り込んだ人間達が死ぬ。ガミラスはミサイルを自爆させるだけでヤマトの生き残りを一掃できて、あとは好きなように地球をいたぶれる」
オマケ2 §
「ああそうか。SPACE BATTLESHIP ヤマトの最後で惑星破壊用のミサイルが最後に出てくるのは、ヤマトIII的な展開なんだな」
「なんじゃそりゃ」
「最後の最後でデスラーが地球にミサイルを撃つ展開はアニメには無い。でも、そんなのヤマトじゃないとまでは言えない、ということか」
「そうか。分かったぞ!」
「何が?」
「あのミサイルは地球には当たらない。軌道がずれるんだ」
「なぜ?」
「太陽に当たって異常増進するんだよ、きっと」
「ぎゃふん」
「やっぱり古代君無駄死に」
「おいおい」
