「だからほいほいと、補遺を付けるなよ」
「本当に終わるつもりだったんだよ」
「ではまた別の理由があるのかい?」
「そうだ。新たに浮上した」
「そうか。ヤマトが浮上したんだね」
「そうだ。反射衛星砲を撃て!」
「所在地をばらしてる……」
ヤマトは大和か §
「虫の音会 料理長さまよりメッセージを頂いた。メールアドレスはこちらの判断で伏せる」
「これが何か?」
「うん。残された問題はある。まあ読んでくれ」
トーノ・ゼロ様
突然のお便り、失礼します。
毎日、楽しみに拝見させて頂いていました。
終わられるのは残念ですが仕方ありませんね。
ところで、トーノ・ゼロ様は、SPEACE BATTLESHIP ヤマトと女性の観客について、数々の考察をされています。
先日、同作品のBlu-rayを見ていて、1つ疑問が生じました。
それは、「SBヤマトは、真に理解されたのか」です。
作品中、戦艦大和が宇宙戦艦ヤマトであることが明言されていません。
後半で「戦艦大和も云々」のセリフがあるだけです。
戦艦大和が宇宙戦艦ヤマトであることが、明らかでない以上、BSヤマトではじめて宇宙戦艦ヤマトに触れた人物は、 海底に新造の宇宙戦艦が何故か土まみれで置いてあり、それに乗って行った話になります。
宇宙戦艦ヤマトを知っており、その艦が第二次世界大戦のリサイクルであることが周知の事実であったため、今まで気づきませんでした。。
復活した艦が地球の復活のために戦うというヤマトのテーマ若しくはエッセンスをはじめてヤマトに触れた人物は理解し得たのでしょうか。
復活されることを祈りつつ、長きに渡り、楽しませていただきました事に厚く御礼申し上げます。
最後に私はSBヤマトを賞賛している者であることを申し添えておきます。
「確かに戦艦大和と宇宙戦艦ヤマトの関連性が、SPACE BATTLESHIP ヤマトでは希薄だね」
「実はさ、よく考えると捻れているんだよ」
「は?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトには以下の2つの状況が存在する」
- ヤマトの全長が500メートル以上あり、明らかに戦艦大和(全長263メートル)の中身を入れ替えたアニメのヤマトとは違う
- 沖田が驚く古代に「そうだ。これが大和だ」と言っている。BDの字幕を見ると、「ヤマト」ではなく「大和」と言っている
「えっ? それっておかしいじゃん。ヤマトは大和なの? 大和じゃないの?」
「つまりさ。ヤマトは過剰に小さすぎて矛盾するから、それを整合させようとして設定を変更して大きくすると別の矛盾をはらんでしまったのかもしれないよ」
「どういうことかな」
「詳細は良く分からないけど、ヤマトファンも多かった現場らしいからな。ヤマトへの思い入れが熱いことは事実だろうが、その熱さが全て同じとは限らない」
「そうか。設定の矛盾を解消する方がいいと思う人もいれば、戦艦大和の生まれ変わりがいいと思う人もいるわけだね」
「本当にそうかは知らないぞ」
「うーむ」
軸足の問題 §
「ただ、どっちに軸足があるかはおおむね推定できる」
「どっちだい?」
「矛盾の解消だ」
「どうして?」
「アニメというのは基本的に記号だ。記号は、矛盾を含んでいても成立する」
「どんな風に?」
「たとえば、ある巨大ロボがあるビルよりも大きいカットと小さいカットがあっても重大な問題にならない」
「そうだね。良くある話だね」
「でも、VFXの世界では問題になる」
「どうして?」
「3Dモデルには一定のサイズがあるからだ。わざわざサイズを変更する手順を取らない限り、サイズは一定に保たれる。カットごとにサイズが変わったりはしない」
「それだけ?」
「もちろん違う。VFXが3Dモデルだけの世界ならサイズ変更は簡単だが、実写映像を合成すると難しくなる」
「実写の世界はサイズ変更できないわけだね」
「ウルトラセブンなら身長は自由自在だけどな。そんな便利なウルトラ戦士は滅多にいない」
「ははは」
「だからさ。SPACE BATTLESHIP ヤマトの軸足は矛盾の解消側にあるのだろうとは言える。しかし、それがスタッフ全員で共有された認識であったかは分からない」
オマケ §
「この見出しを見て思わず呟いたよ」
「なんて?」
- 新たな脅威が宇宙を席巻していた。地球はまだこの事実を知らなかった
「それで?」
「Apple製品は白っぽいからな。それも白かったりすると、まさに白色の脅威だ」
「ぎゃふん」
「で、人類の絶命が奴隷かを要求するのだ」
「奴隷? まさか!」
「iPhoneを買ってiPhoneを称えよ、他の価値観は一切認められない……というメッセージ性はまさに奴隷になれという要求だろ?」
「それに逆らう正義の戦いがあるんだね。がんばれAndroidってこと?」
「ダメだ。アンドロイド兵は制御装置破壊されただけでダメになる。しょせんは操り人形か、って諦める羽目になる」
「いや、その話、Androidじゃなくてアンドロイド兵だし」
オマケ2 §
「どうでもいいが、新たなる旅立ちのEDを聞くと、『知る娘』が『汁娘』に聞こえて困る」
「なんだよその18禁臭ぷんぷんの『汁娘』って」
「そうだな。たぶん、お汁粉娘の略だろう」
「しかし、それがどうしてヤマトネタなんだ」
「餅つきが許可された以上、餅を美味しく頂く方法の1つがお汁粉だろう」
オマケIII §
「ここに来て目から鱗が落ちた」
「なんだい?」
「さらばでデスラーの部下はタランを除けばアンドロイド兵なのだ」
「それで?」
「ガミラスドロイドだよ」
「えっ? さらばのは彗星帝国のアンドロイドだろ?」
「でも、デスラーの配下だったんだ」
「つまりなんだい?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトが実際は『第1シリーズ』に偽装した『さらば』だったとすると、ドロイドに語源を求めることが可能になる。目から鱗だ」
「そんなアホな」