「なんで補遺が続くんだよ」
「ロボコンでも言うだろ?」
「なんて?」
「でんでんかんかん補遺てんかん」
「なんか違う」
解けた謎か? §
「SPACE BATTLESHIP ヤマトの残された最大の謎はガミラスボーグの本来の出所だ」
「本来の?」
「初期の名称がガミラスドロイドないしガミラスロイドであることは分かっている。ガミラスボーグは後付けの名称みたいだ」
「そういう意味ね」
「おそらく名称の変遷は以下の通りだ」
「かなり推定だね」
「では、ドロイドはどこから来たのか。さらばのアンドロイド兵にルーツを求めれば、ドロイドという言葉が出てくる根拠に至ることができる、というアイデアを得た。これが前回までのあらすじだ」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトが実際は『第1シリーズ』に偽装した『さらば』だったとすると辻褄が合うってことだね」
「そうだ。しかし、話はもっと先まで進めると気付いた」
「それはなんだい?」
「アンドロイド兵も個が存在しない。制御装置を破壊するだけで全部まともに動かなくなる。全てが1つなんだ」
「えっ? 名前だけじゃ無くて性質まで似ているってこと?」
「敵のドラマを語る時間的な余地が無いので、アンドロイド兵より上の階層にいる登場人物が全て消える。アンドロイド兵だけは個がないのでいくらでも出せる。それがガミラスロイドという設定の発端だとすると良く分かる」
「スタートレックのボーグじゃないってことだね」
「おそらくドロイドと言っちゃうと生命体としては不適切だから言い換えたんだろう。ボーグをやりたかったのでは無く、結果として似たものに似た言葉に置き換えてボーグになったのだろう。ボーグ・ゲット・オン!」
「発想の原点がアンドロイドでも、映像化された形態は生命体ってことだね」
オマケ §
「しかも、芋づる式にSPACE BATTLESHIP ヤマトのデスラーが孤独である理由まで分かっちゃう」
「えっ?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトのデスラーは全てのガミラス兵がデスラーなんだ。デスラーに仲間はいない」
「それで?」
「だからさ。さらばのデスラーが持つ属性もやはり孤独なんだ」
「タランしかいないね」
「しかも、そのタランも死ぬ。大ガミラスもデスラー1人になってしまうんだ」
「1人か!」
「それで、このデスラーの孤独という属性と、アンドロイド兵の全てが1つという属性を時間不足の都合で足し合わせるとSPACE BATTLESHIP ヤマトのガミラスボーグの出来上がりというわけだ」
オマケ2 §
「さらばは、古代の熱弁でヤマト乗組員の大半を死に追いやる話だ」
「古代の言葉には人を動かす力があるってことじゃないのかい?」
「動かせるから問題とも言える」
「わははは」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトも、部下を見殺しにしないと大見得を切った古代が部下を守るために部下を見殺しにするえぐい話だ」
「わははは」
「やはり、そういう骨格レベルでもSPACE BATTLESHIP ヤマトはさらばに近い」
「私の心ははるかに君たちに近いってことだね」
「しかし、その認識に至ったヒントが、これまで登場人物として認識してこなかったアンドロイド兵とは驚きだ」
「確かにあれは登場人物とはいいがたい」
「しかも、制御中枢吹っ飛ばすだけで無力化できるというSPACE BATTLESHIP ヤマトのガミラスの設定は……」
「とてもアンドロイド兵っぽいよ」
オマケIII §
「更に気付いた」
「なんだい?」
「アンドロイド兵の中枢を壊せと言ったのは真田。彗星帝国の動力源を壊せと行ったのは土方」
「それがどうした?」
「実は、SPACE BATTLESHIP ヤマトでガミラスの中枢を破壊すると言い出したのは真田なんだ」
「えっ?」
「だからさ。SPACE BATTLESHIP ヤマトのガミラス中枢爆破のシーケンスは都市帝国戦がモチーフなんだけど、それだけではなくアンドロイド兵のシーケンスも入っているのだよ」
オマケ4 §
「ヤマトの全兵装使用不能!」
「艦長! 僕はどうしたらいいのですか!」
「古代……。戦うのだ」
「しかし、もう武器がありません」
「武器ならあるじゃないか」
「えっ。どこに?」
「空間騎兵隊の命だよ。接舷して斬り込んでしまえば彼らも立派な戦力だ」
「分かりました。島、小ワープだ!」
オマケ5 §
「そうするとザバイバルの出番が弾き出される。彗星帝国の艦隊はどれも、それっぽいのがあるというレベルで辛うじて救えるが、ザバイバルは無理だ」
「そんなに?」
「たとえば、ゴーランド艦は最後に地球にミサイルを発射するガミラス艦に想定できるし、ワープ後に遭遇する空母はバルゼーの空母の想定できなくもない」
「でも、戦車の出番は無いね」
「そこで思い出せ。ひおあきら版だと戦車の出番はヤマト側だ」
「ヤマトの戦車隊がバランを攻略したわけだね」
「それがガミラスに乗り込むヤマト側の装甲車に化けたのかもしれない」
「えっ。あの車両はザバイバルの戦車相当か」
オマケ6 §
「ああ。分かった」
「なんだい?」
「SPACE BATTLESHIP ヤマトに装甲車の運転席のシーンがある理由だよ」
「えっ?」
「さらばだと、中の敵兵を投げて戦車を動かしてしまう描写がある」
「でも、味方の装甲車じゃ敵兵は乗ってないよ」
「だから、殺された味方兵に成り代わって運転するという描写にならざるを得ない」
「乗り込んで動かしちゃう、という部分は同じってことだね」
「それが堅持された『さらばエッセンスだ』」
「やっぱり、ガミラス・イスカンダル星はテレザートだったんだね!」
オマケ7 §
「そうすると、アニメにはないアナライザーの猛攻撃は、多弾塔砲なんだよ」
「えっ? そうか、いっぱいロックオンして撃ちまくるのは多弾塔砲のイメージだね」
「そうだ、あれだけ大量のロックオンする描写は他に無い。まさに多弾塔砲のイメージだ」
「まさにそうだね。『敵は大戦車隊だ。多弾塔砲を頼む』と『アナライザー、自律モードで俺たちを援護してくれ』は同じだったんだね。でも戦車が来てないのにそれでいい?」
「大群が地面の上を迫ってくるという意味では同じだ」
「なるほど」
「でも、それだけでは戦いは決着しない」
「さらばでは、敵の戦車隊が壊滅するじゃないか」
「でも、ザバイバルと斉藤の一騎打ちになる。だから終わりじゃ無い」
「そうか。だから、SPACE BATTLESHIP ヤマトでも戦いは続くわけだね」
「ただし、そこからは加藤が帰り道を死守しているという都市帝国パターンに入って、テレザートパターンからは離れてしまう」
「別のパターンに入ってもやはり『さらば』……」
「では、さらばだ」
「分かったぞ。最後の一言はこれだろ。『今はさらばと言わせないでくれ』」
「ぎゃふん」