「ヤマトとゼロテスターの関係について、理解と推定が更に深まった」
「えっ? そんなに複雑な話があるの?」
「ある」
「あらためて資料をひっくり返して再度推定した時系列だ」
- 1972年末 ワンサくんの後番組としてSFアニメをやりたいという意向の提示 (かなり想像)
- 1973年4月2日 ワンサくん放送開始
- 1973年4月頃 宇宙戦艦コスモの企画、アステロイド6の企画が作成される
- 1973年7~8月頃 宇宙戦艦コスモとアステロイド6から最初の宇宙戦艦ヤマトの企画が作成される
- 1973年9月24日 ワンサくん放送終了
- 1973年10月1日 ワンサくんの後番組としてゼロテスター放送開始
- 1974年春 松本零士ヤマトに参加
- 1974年10月6日 ヤマト放送開始
- 1974年12月30日 ゼロテスター放送終了
- 1975年3月30日 ヤマト放送終了
「推定を含んでいる訳だね」
「そうだ。更に推定を加えると、最初のヤマトの企画はワンサくんの後番組を決めるには遅すぎる。おそらく、宇宙戦艦コスモとアステロイド6がワンサくんの後番組企画なのだろう。複数案を提示することは別に奇異では無い」
「保険を掛けるのは当たり前ってことだね」
「提案するときに複数の案を持っていくこともな」
「でも、統合された。なぜだい?」
「おそらく、両方ともゼロテスターに負けたからだ。両者のアイデアを統合してパワーアップしないと勝てない状況だったのだろう」
「でも、統合した時点でもうワンサくんの後番組には間に合わないよ」
「そこから先は、先行するゼロテスターを追い落とすことが目的になるのだろう」
「なるほど」
「だから、宇宙戦艦コスモとアステロイド6の段階ではそれほど明瞭なゼロテスターへの対抗意識はないが、実際に放送されたフィルムからは対抗意識が見え隠れするのだろう。しかし、元々違う出自の企画なので、ストーリーの骨格に類似性はない」
オマケ §
「ヤマトの旧企画の1つはアステロイド6という」
「うん。でも不自然だよね。普通は5とか7が多いよね」
「スカイヤーズ5とか、トライダーG7とかだね。6はあまり多くない。デビルサターン6とかかな」
「例がいびつだぞ」
「しかし、思いついた。6の根拠ならある」
「どこに?」
「ヤマトはゼロテスターの対抗企画である、と考えると分かる」
「どういう意味?」
「ゼロテスターは1号が3機合体だ」
「うん」
「メカは1号から4号まである」
「そうだね。でも、それだと対抗するとしても5になるよ」
「そうじゃない。ゼロテスターにはスーパー5があるんだ」
「スーパー5を超えるには、6しかないのか!」
「しかし、7には行きたくない状況だ」
「ウルトラセブンを連想しちゃうからね」
「8はエイトマン。9は009と番号が詰まっている」
「なるほど。5は超えたいが、7以上にはできないわけだね」
「どうしても6で攻める必要がある」
「それゆえのアステロイド6か」
「と思ったが上記の時系列からすると、ゼロテスターは意識できない。まして、後半の設定であるスーパー5だ」
「時系列的に無理じゃん」
「というわけで、ゼロテスターを意識した案は却下されそうだ」
「なんだ、行けそうな気がしたのに」
「時系列的に考えると、ワンサくん放送開始の段階ですでにアステロイド6の企画が動いている。でも、ワンサくんの後番組はゼロテスターに奪われた」
「生命維持度ゼロに曝されたのはアステロイド6の方だったというわけだね」
「だからゲルダムの力を入れてパワーアップしたのだよ」
「宇宙戦艦コスモと合体してコスモを燃やしたわけだね」
オマケ §
「しかし、ゼロに負ける6って」
「相当『ろく』でもなかったようだね。6だけに」
「それは意味が違う」
さらばオマケ §
「6を使った事例をちゃんと探してくれよ」
「そうだな。サンダーバード6号」
「わあい、サンダーバードのスーパーメカの最新作だね」
「なんと古典的な複葉機」
「ぜんぜんかっこよくねえ!」
「ちなみに、プラモのサンダーバード6号のパッケージは中身がほとんどスカイシップ1」
「ひぇ~」
オマケ2 §
「6を使った事例をちゃんと探してくれよ」
「そうだな。青の6号」
「わあい、潜水艦だ」
「でも、サブマリン707は読んだけど青の6号は読んでないんだ」
「ぎゃふん」
シャア専用オマケ §
「6を使った事例をちゃんと探してくれよ」
「そうだな。シャア専用MS06S」
「わあい、シャアザクだ」
「太陽は真っ赤、真っ赤は君の顔、シャアのザク」
「わあい。ダンガードだ」
「でも、シャアザクよりダンガードが好き。ダンガードよりサテライザーが好き」
「ぎゃふん」
オマケIII §
「6で対抗しないで、スカイシップ1で対抗すれば良かったんだよ」
「どんなタイトルで対抗するの?」
「スカイシップワンサくん」
「どんな内容だよ」
「登場人物はみんな犬!」
「それでどんなオチが付くんだよ」
「犬だけに、センスオブ『ワン』ダーの驚異の世界にワープするのだ!」
「ぎゃふん」
オマケよ永遠に §
「かなり話が捻れてきた。宇宙戦艦コスモという企画が藤川桂介、アステロイド6が豊田有恒によって作成されているのだが」
「えっ? 松本零士のコミックのヤマトはコスモシップじゃん」
「だから状況が捻れている」
「どういうことかな」
「アステロイド6寄りの企画が通らず、松本零士が参加してコスモよりに手直しされて通ったのかも知れない」
「どうしてそんなことが言えるの?」
「アステロイド6的な世界観で書かれているのが石津嵐版だと思われるからだ」
「そうか、かなり持ち味が違うね」
「でも、コスモを燃やして実際のアニメのシナリオを書いて監督した2人は噛み合っていたようだ」
「そうか。原案を考えただけのSF作家より、シナリオを書いた人の方が意見を反映させやすいわけだね」
「しかも、2人ともコスモ大好きで相性バッチリ」
オマケ新たなる旅立ち §
「しかも、2人ともコスモ大好きで相性バッチリ」
「うん」
「そこで、ハッと気づいた」
「なんだい?」
「イデオンのコスモをデザインしたのが湖川さんであるから、やはり湖川さんもヤマトと相性バッチリだったよ」
「ぎゃふん」
オマケ完結編 §
「思いつきから改めて調べると変な話が続々出てきて、ゾクゾクするぜ」
「そうか」
「ちなみに最初のDVDBOXの初期企画の紹介ページを書いているのは原口正宏。続にいうデータ原口だ」
「有名人じゃん。一部では」
「彼もヤマトで足を踏み外した世代だろうなあ」
「どうしてそう思うの?」
「だが放映スタート言われる日は、あと4ヶ月に迫っていた……などと必要もないのにヤマト風にまとめている」
「なるほど」
「でも、彼の価値が正当に評価されているとも思えない」
「この世界はミーハーばかりだものね」
「必要なのは大好きなアニメの1回限りの雑魚ゲストキャラの名前までデータベース化することではなく、基本データを正確に全作品網羅することにある。そこに好き嫌いは入らない。そうではなく、不明瞭なデータを1つ1つ解析して明らかにしていくことが重要。そこに人気不人気は関係ない。しかし、場合によっては特定のカットを誰が作画したのか、特定のサブキャラを誰が声をあてたのか、といった些細な問題でも問題になる」
「それは本当に面白いの?」
「それが本当の謎解き、本当の歴史だからな」
「与えられたシナリオ通りじゃないってことだね」
オマケ復活編 §
ある日々のTO|||O 8月27日より
ヤマトDC版
DVD,ブルーレイで発売を考えているよう(濃厚)。
劇場公開はもっと薄い感じで考え中とか。
「艦長! このままじゃ使い物にならなくなっちゃいますよ」
「待つのだ。(BD発売の)時が来るのを」