Written By: 川俣 晶
「ああびっくりした」
「なんだい?」
「今週はどこかに出かけるゆとりは無いと思っていた」
「それなのに、何かあったの?」
「うん。実は青山一丁目から渋谷に向かって歩いたんだ」
「なぜ?」
「だって、渋山でなら歩けない距離じゃ無い。歩けば、電車賃の節約になる」
「なるほど」
「そうしたら、意図せずしてTEPCOマンホール追跡になってしまった」
「わははは。それが話題か?」
「いやいや。テロリストにサービスする気は無いよ、発見したTEPCOマンホールの位置は非公開だ」
「じゃあ、この場の話題は何だよ」
「実はさ。渋谷にたどり着いて裏道に入って近道をしたんだ」
「それで?」
「すると、渋谷ヒカリエの建設現場の横を通ることになったんだ」
「渋谷ヒカリエ?」
「東急文化会館跡地に建設中のビルだ」
「そんな名前なのか」
「そうしたら昔の渋谷に写真が建設現場の壁に並んでいて夢中で見てきたよ」
「そりゃまた凄い偶然だ」
「お楽しみだったようだね」
「その後は、東急デパート下の、玉電が山手線をくぐっていた跡とされるトンネルを通って井の頭線の改札まで行ったよ」
「まさにお楽しみばかり」
「東急デパートの下は渋谷川だしな」
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