「実はアメリカン・グラフィティって何となく気になっていたんだ」
「どうして?」
「タイトルから内容が良く分からないから。アメリカンという以上はアメリカを代表するものなのか? しかし、グラフィティはあまり具体的な内容をイメージさせない」
「それで見たかったの?」
「そうだが、実は今週はもう今日しか時間が無かった。なので強引に時間を作って行ってきた」
感想 §
「それで感想は?」
「グダグダでアホらしいアメリカ片田舎の若者の馬鹿な行為の数々。しかも中途半端に都市化されているから田舎の魅力も無い」
「は?」
「つまりぜんぜんアメリカを代表するような映画ではない」
「なんだ」
「しかも、日が暮れて夜が明けるまでの話なのだが、雑然と複数の話が進む。ストーリーを追いかけるのもけっこう苦労する」
「じゃあ、ダメなの?」
「そうでもない。要するに、グダグダが行きすぎているってことは、先が読めないってことだ。何となくキャラも徐々に分かってくるしね」
構成 §
「映画としては、飲食店に全員集合から始まって、最後に飲食店にまた集まって終わらせる構成かと見せかけてそれはフェイク。飲食店に全員集合はしない。東部の大学に行くか悩んでいる、という話題からスタートして東部の大学に実際に行くという場面で終わる。そういう構成だ。そこはよく工夫している」
「そうか」
更に感想 §
「やりたい盛りの若者だ。しかし、1人は恋人とくっついたり離れたりして焼けるし、マッチョな奴の相棒は子供の女の子で持てあますし。奨学金もらった奴は、くれた相手の店から盗むのに手を貸すし。グダグダに一直線」
「そこが見せ場か!」
「しかし、ロリコン街道一直線だね。年頃の娘が来てくれると思ったら子供で持てあましちゃうけど、結構長く付き合わされる」
「わははは」
「意外なのはブレインズみたいなメガネ君が上手くやったこと。最終的に女の子をものにしたんだから」
「えー」
「死ぬほど吐いたり、かっこわるいけど飽きさせなかったのは事実だろうからね」
「そうか」
ザブングル・グラフィティ §
「関係ないけど、これを見てザブングル・グラフィティがやっと分かった」
「は?」
「脈絡の無いグダグダ感。青春の暴走感。突然幻のトロン・ミランが出てくるような内容は、元ネタがここにあると思えば納得できる」
「ザブングル・グラフィティって」
「実はあの映画、公開初日に前夜から並んで見たんだよ」
「ひぃ~」
「ちなみに、昨日は教育テレビのデジスタに富野監督も出ていたから偶然とは恐ろしい」