「最近調べて驚いた」
「何が?」
「おねがいサミアどんという良いNHKアニメが昔あった」
「それで?」
「今になって見るとけっこうスタッフが凄い」
「どう凄いの?」
「まあ、演出陣に魔法少女で辣腕を振るう望月智充がいるとか、劇場版サクラ大戦の本郷満がいるとか、それは横に置く」
「置くのかよ」
「しかし、ヒロインのアン・ホプキンスの声優は麻上洋子であるってのに気づいて調べたら演出陣の中に井内秀治さんがいる。当時はノーマークだから絶対ヤマト関係とは気づかない。ついでに音楽は羽田健太郎さん」
「なるほど」
それって? §
「それってどういうこと?」
「きっと、宇宙戦艦ヤマトという作品はSFよりもファンタジーに親和性が高かったのだろう」
「えー」
「だから、ヤマトのスタッフの一部は犬が歌うワンサくんを作って見たり、メーテルリンクの青い鳥を作って見たりする。別の一部はサミアどんにも行っていたわけだ」
「ファンタジーかよ」
「カットごとに形が変わるヤマトがファンタジーでなくて何だ」
「ぎゃふん。でもCG時代は形が変わらないからファンタジーじゃない?」
「ははは。CGでも複数モデルを使って使い分けているという証言があるじゃないか。やはり一定していないんだよ」
「ぎゃふん×2」
結局 §
「完結編のSFとしてのグダグダっぷりはまさにそこだろう。アクエリアスの水が引くって、どこに引くんだい。重力井戸の底に落ちた水が勝手に他の天体に行ってくれる訳もないだろうし」
「行き場がない水か」
「しかし、ヤマトがファンタジーなら分かる。ヤマトの宇宙は地球上の海なんだ。溜まった水はいつか海に流れて消える」
「アクエリアスは雨雲なんだね」
しかし §
「でも、その認識はあくまでSFになろうとする人たちとは相性が悪い」
「ぬえとか? 豊田有恒とか?」
「松本零士ももしかしたらそうかもしれない」
「分裂の芽がそこにあるわけだね」
「海洋ファンタジーと割り切ったトリトンの方がずっと安定したアニメになったのかも知れない」
「最後に監督がひっくり返しちゃったけどね」
オマケ §
「ヤマトとテニプリの相性が良いことも結局同じだろう」
「どうして?」
「結局、テニプリもファンタジーだからだ」
「シリアスなテニスアニメじゃないってことかよ」